ストレート・アヘッドなロウズ
昨日に比べて、ちょっとばかり喉の調子が快復してきた。けど、体調はイマイチ。といって休む訳にもいかず、騙し騙しの一日。今日は今日とて、疲れた身体、疲れた頭に、爽快感を感じさせてくれる、意外と硬派なフュージョン・ジャズを、と触手を伸ばす・・・。
さて、昨日に続いて、ヒューバート・ロウズの話題を・・・。ヒューバート・ロウズと言えば、どうしても、CTI時代のアルバムが思い浮かぶ。しかも、昨日の『Afro-Classics』や『The Rite of Spring(春の祭典)』のように、クラシックを素材としたフュージョン・アルバムが真っ先に思い浮かぶ。なんだか、クラシックを題材にした「フュージョン屋さん」みたいな印象が強い。
が、である。ストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズもあるんですよ。最近、やっとこさCDで入手することが出来た『In The Beginning』(写真左)。1974年録音。CTIでの2枚組アルバムです。2枚組ですよ。ヒューバート・ロウズの意気込みを感じるし、当時、高くて手が出なかった思い出も頭をよぎるし(笑)。
この2枚組アルバムが、なかなかストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズ的な内容で、ジャズ者初心者当時から、大学近くの隠れ家的な喫茶店で良くリクエストしました。なんせ2枚組ですからね。当時の資金力では到底手が出ませんでした(笑)。
収録曲を見渡して、それぞれの曲名を確認すると、このアルバムは、なかなかにストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズであることが想像できます。
SIDE-A
1.In The Beginning
2.Restoration
SIDE-B
1.Gymnopedie #1
2.Come Ye Disconsolate
3.Airegin
SIDE-C
1.Moments's Notice
2.Reconciliation
SIDE-D
1.Mean Lene
やはり、John Coltrane作の「Moment Notice」のカバーやラテン・リズムがユニークなSonny Rollins作の「Airegin」が目を惹きますね。
そして、パーソネルを見渡し、リズムセクションはと確認したら、Ron Carter (b), Steve Gadd (ds), Airto (per)。このリズムセクションが凄いリズムとビートを叩きだしている。特に、スティーヴ・ガッドのドラミングは、実にユニークかつ超絶技巧なドラミング。うねるようなビートが凄まじい。そして、加えて、Bob Jamesのキーボードのソロも凄まじき限りです。この時期に、こんなにエモーショナルに弾きまくるボブ・ジェームスも珍しい。
そんな並外れたリズムセクションをバックに、実にストレート・アヘッドなフュージョン・ジャズが繰り広げられます。当然、主役、フルートのヒューバート・ロウズも吹きまくる吹きまくる。エモーショナルに、テクニック豊かに、フリーキーに、はたまた堅実に、変幻自在にストレート・アヘッドなジャズ・フルートを聴かせてくれます。
最近、あまり話題にあがらない『In The Beginning』ですが、これは「買い」です。特に、1970年代、フュージョン・ジャズのファンの方々には一度聴いて頂きたい推薦盤です。疲れた身体、疲れた頭に、爽快感を感じさせてくれる、意外と硬派なフュージョン・ジャズです。
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