« 続・夜の静寂に、就寝前の一時に | トップページ | 突然「黒船」を思い出した »

2010年5月29日 (土曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・8

さてさて、こじらせた風邪もやっと快方に向かいかけた、今日この頃。やっとパンチの効いたビッグバンド・ジャズを聴く気力が戻って参りました。ということで、今日のブログは、久しぶりに「ビッグバンド・ジャズは楽し」シリーズ。今日は第8回目。

今日は、ボーカル付きのビッグバンド・ジャズ。遠い昔より、ビッグバンドと言えば、ジャズ・ボーカルのバックを担い、そのゴージャズな響きと演奏をバックに、朗々と歌い上げるジャズ・ボーカルには、子供心にも心躍らせたものだ。

その「心躍らせる」ところは今も同じ。朗々と歌い上げるジャズ・ボーカルと、バックのジャズ・ビッグバンドとのせめぎ合い、コラボレートには今でも惚れ惚れとする。しかし、最近のジャズ・ボーカルはひ弱なものが多い。フルスロットルなジャズ・ビッグバンドを向こうに回して、堂々と渡り合える、ジャズ・ボーカルは本当に少なくなった。

そんな中、このアルバムは、従来からの、朗々と歌い上げるジャズ・ボーカルと、バックのジャズ・ビッグバンドとのせめぎ合い、コラボレートを心ゆくまで楽しめるアルバムである。

そのアルバムとは、Charito With Manhattan Jazz Orchestraの『Nica's Dream』(写真左)。2006年2月の録音。ボーカリストのCharito(チャリート)のボーカルが凄まじい。朗々としたボリュームで、ガンガンに歌い上げていくのだ。緩めることは無い。可愛い子ぶることも無い。堂々と朗々とアルバム全曲に渡って歌い挙げている。

これだけ、フロントの女性ボーカルが堂々と朗々とガンガンに歌い上げてくれるのならば、バックのビッグバンド側としては非常にやり易い。フロントのボーカルに対して手加減することなく、フルスルットルで、ビッグバンドをドライブすることが出来る。しかも、このバックのビッグバンドは、そのテクニック、演奏内容、アレンジ、どれをとっても超一流かつ優等生的なビッグバンド、Manhattan Jazz Orchestraである。その迫力たるや素晴らしい。

Charito_nicas_dream_2

冒頭のタイトル曲「Nica's Dream」を聴くだけで、それを実感できる。チャリートのボーカルの堂々とした朗々とした、音量ある歌いっぷり。そして、その堂々とした歌いっぷりに応える様に、フルスロットルで、バンバンにドライブしまくっていく。ボーカルが凄いとバックのビッグバンドも凄くなる。こんなに「ど迫力」な、ジャズ・ボーカル+ビッグバンドの演奏を久しぶりに聴いたような気になる。

選曲が面白い。従来のジャズ・スタンダードと、1970年度以降のロックやR&Bの名曲を素材にしたニュー・ジャズ・スタンダードとが上手い具合にミックスされていて、最後まで、聴く者を飽きさせない。ちなみに収録曲は以下の通り。

1. Nica's Dream
2. Superstition
3. Caravan
4. Sunday Morning
5. Sir Duke
6. Dance Of Love
7. Against All Odds(Take A Look At Me Now)
8. The meaning Of The Blues
9. Just The Way You Are
10.Master Blaster(Jammin')
11.I'll Make Love To You
 
スティービー・ワンダーの初期のヒット作「Superstition」、これまたスティービーの十八番「Sir Duke」、「Master Blaster(Jammin')」フィル・コリンズの「Against All Odds(Take A Look At Me Now)」、ビリー・ジョエルの「Just The Way You Are」など、1970年度以降のロックやR&Bの名曲を素材にしたニュー・ジャズ・スタンダードの出来が実に良い。やっと、ニュー・ジャズ・スタンダードの可能性を感じた次第です。

そして、やはり、Manhattan Jazz Orchestraの総帥、デビッド・マシューズのアレンジとプロデュースが秀逸です。とにかく判り易い、とにかくシンプルに、ジャズ・ビッグバンドの楽しさを僕たちに届けてくれています。

ちなみに、チャリートは、日本在住のベテラン実力派ジャズヴォーカリストなんですね〜。チャリートのレパートリーの幅も広く、チャリートの正統派ボーカルのお陰で、ジャズ・ビッグバンドの楽しさが堪能できる。そんな、ジャズ者初心者からジャズ者ベテランまで、ジャズ者であれば、どんなレベルの方々も、それぞれレベルでの楽しみ方が堪能できる。ジャズ・ボーカルとバックのジャズ・ビッグバンドの優秀盤だと思います。 
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。 
 
 

« 続・夜の静寂に、就寝前の一時に | トップページ | 突然「黒船」を思い出した »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ビッグバンド・ジャズは楽し・8:

« 続・夜の静寂に、就寝前の一時に | トップページ | 突然「黒船」を思い出した »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

カテゴリー