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2010年4月 7日 (水曜日)

二日酔いに優しいギターの調べ

う〜眠い。一日眠かった。しかも、今朝は頭が痛くて起きた。う〜昨晩飲み過ぎた。でも、気分はスッキリ、良い酒ではあったらしい。でも、睡眠不足はなんともし難く、朝から眠くて眠くて(笑)。

こういう二日酔いの日には、ハードなジャズなどとんでも無い。超絶技巧なフュージョンもパス。二日酔いに優しいジャズ、そう耳当たりが良い、それでいてしっかり芯の通った、イージーリスニング系フュージョンが良い。

ということで、今朝一番の選択は、Grant Greenの『Visions』(写真左)。ブルーノートの4373番。1971年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Billy Wooten (vib) Emmanuel Riggins (el-p) Grant Green (g) Chuck Rainey (el-b) Idris Muhammad (d) Harold Caldwell (d, per) Ray Armando (cga)。

1961年に初リーダー作をリリースした頃は、完璧ハードバッパーなギター。60年代末から70年代にかけては、ファンク・スタイルに転身。硬派なハードバップからファンク、そしてフュージョン系の演奏への時代の流れと共にスタイルを変えて来たグラントではあるが、一貫してシングル・コイルを搭載したギターを使用しており、シングル・コイル独特のシンプルな単音、そして硬いパキパキな音色が彼のギターの特徴。

さて、この『Visions』であるが、収録された曲を見渡すと、思わずにやけてしまう。1曲目はシカゴの「Does Anybody Really Know What Time It Is?」(邦題「いったい現実を把握している者はいるだろうか? 」)、クインシーの2曲目「Maybe Tomorrow」、カーペンターズの6曲目「We've Only Just Begun」(邦題「愛のプレリュード」)、ジャクソン5の7曲目「Never Can Say Goodbye」、など当時のヒット曲を並べた構成。いやいや〜、これだけ見れば、完璧なイージーリスニング系フュージョンなアルバムです。

Visions

でも、これがなかなか良い感じなんです。シングル・ノート(単音)を主体だとポップス系のヒット曲は、ちょっとシャビーに聴こえたりするんですが、ここでのグラントは違う。ウエス・モンゴメリーのCTIの作品を硬派に仕立て上げたような、極上のイージーリスニング系フュージョンが、極上のフュージョン・ギターがここにあります。

演奏は8ビート中心で短めで物足りなさが残るが、このアルバムでのグラントは好調に、これらのヒット曲をシングル・ノート(単音)でパキパキと弾き上げていきます。ポップな内容ながら、グラントのインプロビゼーションは素晴らしく、ハードバップな4ビート時代を思い出させるようなスリリングな場面も随所にあり、聴き応えが十分です。

面白いのは3曲目の「モーツァルトの交響曲第40番ト短調」。さすがに誰でも聴いたことがあるであろう、モーツァルトの有名曲、テーマの部分だけを聴くとさすがに「仰け反る」(笑)。でも、しばし我慢して聴いていると、テーマの後に出てくるグラントのインプロビゼーションが実に良い。木訥バキバキなシングルトーンが炸裂である。

そして、なんといっても絶品なのは、6曲目「We've Only Just Begun」(邦題「愛のプレリュード」)。カーペンターズの歌唱で有名なポップ・チューンですが、これが絶品。原曲自体の旋律が良いのもあるんですが、その美しい旋律をグラントのシングルトーンでパキパキと弾かれたら、そりゃ〜もう実にエエ感じですわ(笑)。

ジャケットの写真も妖しくて「クール」。裏ジャケのグラントの顔面大アップも、実にレア・グルーヴっぽくて「クール」(笑)。グラントのシングルトーンでパキパキ・ギターは、どこまでも硬派で美しくファンキーで、「二日酔いに優しいギターの調べ」とはこのことやな、と至極納得したGrant Greenの『Visions』でした(笑)。  
 
 
 
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