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2010年4月19日 (月曜日)

「マクリーンだけ」愛でるライブ盤

Jackie Mclean、ジャキー・マクリーンと表記する。独特の音色を発するアルト奏者。クラシックの世界であれば、絶対に受け入れられることは無いだろう。少しマイナーに外れた音。キュイーンと絞り上げるような、金属的なアルト・サックスの響き。ジャズの世界だから「個性」として受け入れられる。

でも、僕は、このマクリーンのアルトの響きが、アルトの音が大好き。この少しマイナーに外れた音が「くせ」になる。どこで聴いても絶対に「マクリーン」と判る音。これこそが、ジャズ・ミュージシャンの個性。これこそがジャズの面白さ。

1950年代からジャズの第一線で活躍しながら、1968年にはコネチカット州で教職に就き、音楽活動を休止。ヨーロッパへ活動の場を移し、スティープル・チェイスに吹き込んだ復帰第一弾アルバムがある。『Live at Montmartre』(写真左)。1972年、デンマークはコペンハーゲン、カフェ・モンマルトルでのライブ録音。

スティープル・チェイスは、このカフェ・モンマルトルでのライブ録音が多い。この『Live at Montmartre』も、録音のバランスが私家録音っぽい。ピアノとベースの音は小さいし、ドラムはちょっと刺々しい。でも、マクリーンのアルトは活き活きとしていて、それだけで僕はこのアルバムを愛聴している。

改めてパーソネルは、Jackie McLean (as) Kenny Drew (p) Bo Stief (b) Alex Riel (ds)。ピアノはあのケニー・ドリューである。このジャズ・ピアニストも、1960年代後半、新天地を求めて、ヨーロッパへ渡ったくちである。 ベースとドラムは、ほぼ無名。デンマーク現地のローカル・ミュージシャンであると思われる。
 

Mclean_montmartre

 
僕は、このライブ盤の冒頭「Smile」という曲が大好きなのだ。チャーリー・チャップリンの名画『モダン・タイムス』のラストを飾る名曲。ラストシーンで印象的な、この「スマイル」は、チャップリンが作曲したもの。これが良いんだな〜。「スマイルを忘れなければ何とかなるさ」という歌詞にグッとくる。ナット・キング・コールやマイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロスらがカバーした。ジャズ・スタンダードとしては、ちょっとマイナーかもしれないが、この曲は実に雰囲気があって良い。

マクリーン独特の少しマイナーに外れた音で奏でられる「Smile」が実に良い。マクリーンはホームグラウンドのカフェ・モンマルトルで、寛いでノビノビとしたブロウが良い。開放感溢れる、爽快感溢れるブロウ。節回しも良く回り、アドリブのイマジネーションも良好。良い、実に良い。

ベースとドラムのリズム・セクションは、ちょっと単調。2曲目のブルースではベースがずれまくる。なんで? 観客達も笑っている。でも、このカフェ・モンマルトルは、当時、素晴らしい雰囲気のライブハウス。観客達はミュージシャンの味方。観客の歓声も臨場感が溢れていて心地良い。

ピアノのケニー・ドリューの演奏については、ちょっと録音バランスが悪くて、彼独特の黒い情感溢れるちょっとファンキーでブルージーな演奏が堪能できないのが、ちょっと欲求不満。まあ、まだこの時期のスティープル・チェイスは駆け出しの地方レーベル。録音技術も機材もまだまだ稚拙なものだったらしいので、これはこれで仕方が無い。

それでも、マクリーンのアルトは音が良く、堪能できます。録音バランスはちょっと良くないのですが、音質は良。とりわけ、マクリーンのアルトは良い感じで録音されています。ジャズ者初心者の方々を含めて、ジャズ者一般万民にお勧めできるライブ盤ではありませんが、マクリーンのファン、そして、「Smile」という曲のファンの方々には絶対のお勧めです。

このライブ盤を聴いた後、暫くは、この「Smile」のマクリーン節が頭の中を渦巻いて、知らず知らずのうちに、ところかまわず「Smile」のメロディーを口ずさんだりしています(笑)。  
 
 
 
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