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2010年4月23日 (金曜日)

気合いの入ったトリオである

最近、ちょくちょく取り出して来ては聴き耳を立てる、ちょっくらヘビーローテーションになっている、ピアノ・トリオの新譜がある・・・。

いや〜、気合いの入ったピアノ・トリオやなあ。最初の曲、前奏はちょっとモンク風、でも音はチック風。いや、チックほど切れ味鋭くは無いぞ。でも、そのエッジの丸さが心地良い。テクニックは抜群。疾走感爽快感溢れるピアノの旋律。これって誰だ、って感じ。えらい気合いが入っているやないか〜。

守屋純子の初のピアノ・トリオアルバム『Three And Four』(写真左)である。彼女にとっては、6枚目のリーダー作である。“自分はまだピアニストとして一度も勝負していないのではないか”。そういう想いを長年抱いて、満を持しての「挑戦」である。

守屋純子とは。マンハッタン音学院大学院に合格し渡米。1997年、ニューヨークにて現地の第一線ミュージシャンを集めたオクテットで初リーダーCD『My Favorite Colors』を発表。2005年9 月、ジャズの分野では最も権威のある2005年度セロニアス・モンク・コンペティション作曲部門で、東洋人としてまた、女性として初の優勝の栄誉に輝く。

彼女も語っているが、確かに彼女の才は「作編曲の面」にある。これは、このピアノ・トリオアルバム以前に発表されているリーダーアルバム6枚の成果が物語っている。ピアニストとしての実力は未知数だった。

で、この彼女初のピアノ・トリオアルバム『Three And Four』である。ドラムは、ビル・スチュワート、ベースは、ショーン・スミス。アルバムの音を聴けば判る。実に素晴らしい人選である。ベース+ドラム、リズム・セクションが「しっかり」していてこそ、「しっかり」とピアノで勝負できる、っていうもの。

Smoriya_threeandfour

さて、アルバムの内容と言えば、選曲については、オリジナルを中心に、有名なスタンダードを多少入れる、という編成。そのオリジナルの出来が素晴らしい。冒頭の「Three And Four」は、全く持って硬派な純ジャズ路線である。素晴らしい曲だ。そして、2曲目の「A Thousand Cranes」の実に美しいバラード曲。このアルバムの冒頭を飾る2曲だけで、このアルバムの内容の素晴らしさは約束されたも同然。

守屋純子のピアノと言えば、とにかく気合いが入っている。というか、気合いが入り過ぎとちゃうか?(笑)。とにかくガンガン攻める攻める。前進あるのみ。実に爽快である。久しぶりに活き活きとした、ガンガン攻めまくるピアノ・トリオを聴いた。最近のピアノ・トリオって、聴き手の反応を気にして、ちょっと緩めたり、迎合したりするんだが、守屋は違う。自らのピアノを信じて、ガンガンに攻めまくる。

このアルバムは、そこが一番良い。攻めまくるといっても決して雑では無い。決して上っ滑りしていない。しっかりと地に足付けて、しっかりと足下堅めながら、インプロビゼーションを展開していく。心地良いテンション、疾走感、爽快感。加えて、自作曲とのマッチングが抜群(当たり前か・・笑)。

ソロの大スタンダード曲「Over The Rainbow」に守屋の矜持を強く感じる。確かに彼女は、純粋に一人のピアニストとして勝負している。といって、やはり、ピアニストの才にも増して際立つのは、「作編曲の才」。しかし、彼女のジャズ・ピアニストとしての才は、このアルバムで十分に感じる。硬派なチックのフォロワー的な彼女のピアニストとしての個性に僕は十分に魅力を感じた。もう次作が楽しみである。

しかし、次のアルバムは、もうちょっとリラックスした面も織り交ぜれば、もっと奥深さと陰影が出て、もっともっと立体的な、もっともっと味わい深いピアノ・トリオになると思います。そうそう、次の作品については、決してリズム・セクションは代えないようして欲しいです。このアルバムでのドラム+ベースは、守屋純子のピアノにベストマッチだと思います。  
 
 
 
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