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2010年4月12日 (月曜日)

マイルス・デイヴィス『Cookin'』

さあ、今年はマイルス・ディヴィスをしっかり聴き直そう。マイルスは僕の一番のお気に入りである。マイルスのお陰で、僕はジャズを総合的に感じる事が出来た、と思っている。

が、マイルスの功績に対する評価、マイルスのアルバムの評価は、今では当を得たものばかりである。何も僕如きが、ジャズ者初心者の方々にガイドをするものでもなかろう、と、バーチャル音楽喫茶『松和』としては、マイルスを意識的に採り上げではこなかった。

しかし、マイルスは僕のお気に入り。バーチャル音楽喫茶『松和』の「ジャズ・フュージョン館」では、恐らくかなりの頻度でかかっているんだろうなあ、と思い直して、今年から、マイルスのアルバムを採り上げて行きたいと思った。でも、ありきたりの評論は既に、ジャズ入門本やマイルス本にしっかりと記され、それを読んで頂いた方が、マイルスの本質を理解するのに手っ取り早い。

と言うことで、これからのマイルスのアルバム紹介は、バーチャル音楽喫茶『松和』のマスターの独り言、もしくは「うんちく」というトーンでまとめていこうと思っている。松和のマスターに「このマイルスのアルバムって、どうなの?」って訊かれて、答える「うんちく」。マイルスのアルバムが流れているバーチャル音楽喫茶『松和』で、呟くマスターの独り言。そんなトーンでご紹介しているので「よろしく」(笑)。

さて、まずは、プレスティッジのマラソン・セッションだろう。マイルスの音楽は、一般的に「アコースティック・マイルス」と「エレクトリック・マイルス」の、大きく分けて2つの時代に分かれる。「エレクトリック・マイルス」は、ちょっと専門性が高く、ジャズ者初心者向けでは無いので、まずは「アコースティック・マイルス」、それも、一番聴き易いハードバップ時代の「アコースティック・マイルス」。

ハードバップ時代の一番聴き易い「アコースティック・マイルス」と言えば、プレスティッジのマラソン・セッション。そのプレスティッジのマラソン・セッションの中から、まずは一番好きな Miles Davis『Cookin'』(写真左)。
 

Miles_cookin

 
まず、ジャケットが良い。トランペットをマウスピース側から見たイラスト。意外性が良い。そして、絵のバランスが秀逸。これだけジャケット・デザインが優れていると、内容は悪いってことは絶対に無い。所謂、ジャケ買いの世界である(笑)。

この『Cookin'』には、マイルスのダンディズムが溢れている。音を洗練し、音数を絞り込み、間とスペースを最大限に活かした「クール」なハード・バップ。素晴らしく洗練された、アーティスティックな音世界。決して熱くなり過ぎない、決してファンキーにならない、というかファンキーな要素を極力排除したリリカルな世界。

レッド・ガーランドの「左手ブロックコード」、間とスペースを意識した「右手シングルトーン」のピアノが美しい。間を意識し吹き過ぎを意識的に抑制し、すーっと伸びた音がクールなコルトレーンのテナー。聴こえはシンプルだが、実に高度なビートとリズムを紡ぎ出すドラムのフィリー・ジョー、ベースのチェンバース。この唯一無二な、素晴らしく洗練された、アーティスティックな「クール」な音世界は、全て、マイルスのトランペットを惹き立たせるためにある。

「静のダンディズム」の代表が、冒頭の「My Funny Valentine」。レッド・ガーランドの愛らしい前奏に導かれて登場するマイルスのミュート・トランペット。絶品。ミュートの魔術師、マイルスの真骨頂。

この「My Funny Valentine」に騙されてはいけない。2曲目以降は意外に「ハード」。「動のダンディズム」の嵐が吹き荒れる。2曲目の「Blues by Five」のアーティスティックなファンキー・ビート。3曲目の「Airegin」のコントロールされた「大人の熱さ」。4曲目の「Tune Up/When Lights Are Low」の間とスペースを最大限に活かした、熱くて「クール」な、マイルス印のハード・バップ。

この『Cookin'』には、ハードバップ時代の、マイルスのダンディズムがギッシリと詰まっている。マイルスのダンディズムのショーケース。総演奏時間わずか33分半の『Cookin'』ではあるが、アルバムの価値は収録時間の長さではない。

『Cookin'』は、ハードバップはアーティスティックであることを体験させてくれる。ジャズはクールであることを教えてくれる。永遠の愛聴盤の一枚、マイルスの『Cookin'』。何度聴いても飽きない名盤、名演である。  
 
 
 
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