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2010年3月 2日 (火曜日)

ザ・バンド「この一枚」と言えば

バンクーバー冬期五輪が閉幕した。いろいろあったが、皆、よく頑張った。もっと強くなって、ソチでは、もっと僕たちを熱くして欲しい。まだまだいける。4年なんてあっという間だ。

さて、カナダ出身の70年代ロックにおける「有名なバンド」といえば「ザ・バンド」とご紹介した(2月21日のブログ参照・左をクリック)。「ザ・バンド」は、1967年から1976年に活動した米国のロック・バンド。オリジナル・メンバーは、カナダ人4人(ロビー・ロバートソン、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソン、リック・ダンコ)とアメリカ人1人(リヴォン・ヘルム)という構成。基本的にはカナダ出身のロックバンドと言いだろう。

しかも、である。僕は、数多あるロックバンドの中で、この「ザ・バンド」が一番好きだ。もともと、子供の頃から、アメリカン・ルーツ・ミュージックが好きな、変な子供だったので、このアメリカン・ルーツ・ミュージックを踏まえた、シンプルかつ重厚、フォーキーでロックンロールな「ザ・バンド」は、高校3年生の秋から、ずっと30数年間、大のお気に入りである。

ザ・バンドのオリジナル・アルバムは、どれも味わい深い。ザ・バンドを聴きたいと言われれば、「全部聴け」と言いたい。ファーストアルバム、大名盤の誉れ高い『Music Form Big Pink』から、ラストの『Islands』まで、全部聴いて頂きたい。でも、そんな全部で7枚もある。7枚も一気に入手するのは困難な学生の方々もいるだろう。僕も学生の頃はそうだった。気持ちは判る。7枚も一気に入手するのは、学生の身では、かなりの財力を必要とする。

で、ザ・バンドの「この一枚」と問われれば、僕は『Northern Lights-Southern Cross(南十字星)』(写真左)をお奨めしたい。1975年発表の7作目。僕が、リアルタイムで聴いた初めての「ザ・バンド」。アメリカン・ルーツ・ロックの真髄が、最高のお手本がここにある。

確かに『Music Form Big Pink』の方が、ザ・バンドの本質を感じる事が出来るのではないか、という向きもあるだろう。でも、この『Northern Lights-Southern Cross(南十字星)』の音が良いのだ。

Nothern_southern

音が新しい。今の耳で聴いても古さを感じさせない、シンセサイザーなどの当時最新の機材の使い方が秀逸な、優れたアレンジ。今の耳で聴いても新鮮。この鮮度の良さが、この『Northern Lights-Southern Cross(南十字星)』を、ザ・バンドを代表するアルバムとして君臨する所以である。

冒頭の「Forbidden Fruit」の前奏を聴いて欲しい。けっして、アメリカン・ルーツ・ミュージックぽくない、今風のシンセサイズされた捻れた電気楽器の音。ザ・バンドが精一杯にモダン化した音である。これ以上のモダン化は無い。ボーカルが出てくれば、そこからは「ザ・バンド」の世界。アメリカン・ルーツ・ロックの世界である。この曲での、ロビー・ロバートソンのギターが凄い。僕は、このロバートソンのギターに痺れっぱなしである。

哀愁溢れる「Hobo Jungle」。ニューオリンズ・チックな「Ophelia」。そして、カナダ人メンバーの心を移したような、旅情溢れる「Acadian Driftwood」。モダンでアーバンな、それでいて、良き古さを感じる「Ring Your Bell」。そして、リック・ダンコの名唱が素晴らしい、情感あふれ、ウェット感が心地良い、名曲「It Makes No Difference」。ガース・ハドソンのシンセが大活躍、今風のシンセサイズされた捻れた音が、なぜかルーツ・ミュージックを感じさせてくれる、異色の曲「Jupiter Hollow」。そして、ザ・バンドの大団円、エンディング・ロールのような「Rags and Bones」。

演奏は「モダン」のひとこと。ガース・ハドソンはいつも最新の機材を揃えてスタジオ入りしていたが、このアルバムでの、ARPやミニムーグの分厚いサウンドが、その「モダンさ」を裏付ける。そして、このアルバムの特徴的なことは、ロビー・ロバートソンが、ギターを「弾きまくっている」ということ。このアルバムでは、彼の特徴的な「ピッキング・ハーモニクス」がふんだんに聴くことができる。

このラスト・アルバムでは、垢抜けて都会的になってモダンになったザ・バンドが、自らの故郷であるカナダ(米国人レヴォン・ヘルム1人を除いて)に向かって帰って行く、そんな感じの感動的なラスト・アルバム。もうやること無くなった、っていう無常観すら漂う傑作である。しかし、その垢抜けて都会的になってモダンになった音にも、しっかりとアメリカン・ルーツ・ミュージックのエッセンスが散りばめられている。今の時代の耳にも十分に耐える、永遠の名盤である。
 
 
 
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コメント

こんばんは。jamkenです。BANDのアルバムでこのアルバムを最高傑作だと信じて疑わない私には今回の記事は非常にうれしく拝見しました。「そうだよー」「そのとうり」「そういうことですよ、わかったかね」(誰に言っているかは不明)この生地を拝見させていただいて自分が何故このアルバムがいいと感じたか非常によく整理することが出来ました。

いらっしゃい、お久しぶりです、jamkenさん。松和のマスターです。

ザ・バンドの『Northern Lights-Southern Cross(南十字星)』に
共感ありがとうごさいます。僕にとっては、ザ・バンドのアルバムは
それぞれに味わい深いのですが、この『南十字星』はとりわけ味わい
深い。永遠の名盤、エバー・グリーンですね。
 

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