身体と心に良いジャズ・アルバム
昨日より体調が優れない。先週の金曜日は最高気温が20度まで上がったり、はたまた今日などは、ぐっと冷え込んで、雪が降りそうな気配である。これだけ寒暖の差が激しいと、若い頃から付き合っている「持病」が出てくる。起きているのが辛い。
ということで、昨日から基本的に寝込んでいる。が、熱があったりする訳ではないので、必要な時は起きて活動するんだが、その他の時間は寝て過ごす。昨日のブログは、ストック原稿からアップした。今日は昨日に比べて、比較的気分が良い。
そんな体調が悪い時、ハードなジャズや賑やかなジャズはいけない。この体調の悪さには、ハードな音はちと辛い。といって、音楽が無いと寝ていて「つまらない」(笑)。まあ、風邪で熱が38度ほど出ても、音楽だけは聴きながらでないと日中には寝られない、筋金入りの「ながら族」である。
じゃあ、この体調の悪さに合ったジャズはあるのか。優しい雰囲気のピアノ・ソロが良い。この体調の悪さが出ると、伏せって聴くアルバムはほぼ固定されつつある。今回は、Chick Coreaの『Piano Improvisations,Vol.1』(写真左)と『Piano Improvisations,Vol.2』(写真右)の2枚。チックのソロ・ピアノの最高傑作である。
まず、『Piano Improvisations,Vol.1』の1曲目の「Noon Song」が限りなく優しい。この優しいソロ・ピアノが実に具合が良い。ロマンティシズム溢れる、端正でリリカルなソロ・ピアノのフレーズは、チックならではのもの。2曲目以降、曲が進むにつれ、フリーフォームな演奏、前衛的な演奏の色合いが濃くなっていく。6曲目の「Preparation 1」から7曲目の「 Preparation 2」で、完全フリーな演奏になって、チックは尖りに尖る。「Departure from Planet Earth」などは前奏から、もう前衛的な演奏。現代音楽的と言っても良い。
でも、この前衛的な、クラッシックの印象派を思わせる作品群の雰囲気は「冷たくはない」。チックの弾く前衛的な曲は、意外と優しく、耳当たりが良い。睡魔に襲われた時、このチックの前衛的なピアノ・ソロが、僕にとっては、格好の「睡眠促進剤」となる(笑)。
『Piano Improvisations,Vol.2』オリジナルのほか、セロニアス・モンク、ウェイン・ショーターの曲も取り上げている。これがまた絶品。チックは作曲家の個性を掴み取るのが上手い。しかも、その作曲家の個性をしっかりと踏まえた上で、自らの個性を被せて、チックならでは演奏を聴かせるのだがら、もう「圧巻」と言っても良い。
Vol.1とVol.2とは、同時に録音されたアルバムなので、一つの作品として聴き併せたい。続けて聴くと、チックのピアノの個性が実に良く判る。ジャズのソロピアノは、そのピアニストの個性がモロに表れて面白い。そして、チックのソロ・ピアノは、タッチは硬質だが、その雰囲気は限りなく優しい。前衛的なフレーズも、聴く立場に立ったピアノの響きに感心する。
体調の悪い時には、床に伏せって「チック・コリア」(笑)。そのピアノ・ソロ、『Piano Improvisations,Vol.1&2』は、体調の悪い時に選択するアルバムの筆頭。ロマンティシズム溢れる、端正でリリカルなソロ・ピアノのフレーズに癒され、睡魔に襲われた時、チックの前衛的なピアノ・ソロが、僕にとっては、格好の「睡眠促進剤」。昨日と今日はお世話になりました(笑)。
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