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2010年3月25日 (木曜日)

ペトの「胸の空くような」会心作

僕のお気に入りのジャズ・ピアニストと言えば、ビル・エバンスは絶対、チック・コリア、そして、ミシェル・ペトルチアーニ(略して「ペト」)である。

端正な硬質なタッチ、溢れる歌心、マニアックな展開、ポジティブなフレーズ。それらが、僕の好きなジャズ・ピアニストの条件。マイナーなフレーズも悪くは無いが、ジャズ・ピアノはポジティブであって欲しい、というのが、僕個人の好みである。

で、今日、久しぶりに聴いて、やっぱりええなあ、と感じ入ったのが、Michel Petrucciani(ミシェル・ペトルチアーニ)の『Michel Plays Petrucciani』(写真左)。1987年9月と12月の録音。パーソネルは、John Abercrombie (g), Eddie Gomez, Gary Peacock (b), Michel Petrucciani (p), Al Foster, Roy Haynes (ds), Steve Thornton (per)。

ペトのピアノに、ピーコックのベース、ヘインズのドラム、アバークロンビーのギターというユニットと、ゴメスのベース、アル・フォスターのドラム、アバークロンビーのギター、ソーントンのパーカッションによる二つのセッションを纏めた盤。ペトルシアーニのオリジナル曲のみを、作曲者本人が演奏する趣向。

ペトの自作曲って、キャッチーでポジティブな曲が多くて、実に聴き易く楽しみ易い。ぺトの作品は、外れ盤が無くて、どのアルバムから聴いても良いんだが、ペトの個性を確認するには、このアルバムが一番だろう。本当に、ペトは自作曲を心から楽しく慈しみながら、バリバリに弾き倒している。このアルバムでのペトのピアノは「痛快、明快、爽快」である。
 

M_plays_pet

 
これが徹頭徹尾、ポジティブなジャズ・ピアノが展開されていて、実に「胸の空くような」スカッとする、爽快感抜群のピアノ・ジャズが展開されていて、とにかく聴き応え十分。ペトの硬質な叩くような、それでいて耳障りにならないピアノ・タッチ、超絶技巧にとても回る右手左手。歌心抜群の歌うようなフレーズ、ちょっとラテンチックでポジティブな響き。ペトのピアノの特徴が満載である。

そして、このアルバムを聴く度に「おっ」と思うこと。ちょっとアブストラクトに捻れたアバークロンビーのギターが意外にピッタリ合うのにはビックリ。ペトの端正で硬質なタッチに、アバークロンビーのギターの捻れギターがこんなにピッタリ合うなんて。これだからジャズは面白い、これだからジャズ者は止められない(笑)。

ペトを体験するには、ペト入門盤として、このアルバムは最適かもしれない。収録曲はどれも甲乙つけがたい彼の代表作ともいえるもの。ペトの音作りの特徴とピアノの特徴が手に取るように判る会心作である。素晴らしい演奏だ。彼のアルバムの中でも「傑作の一枚」だと思う。

このアルバムを聴く度に、胸が空くような想いを感じる。心がスカッとする。爽快感抜群の、硬派ジャズ・ピアノの名盤。決して軟弱ではない。バリバリ硬派なピアノ・ジャズ。ジャズ初心者の皆さん、初めて聴くときは、しっかり構えて、しっかり心して聴かないと「火傷するよ」(笑)。でも、聴き終えた後の満足感は何物にも代え難い。聴き終えた後、常に思うんですよ、「やっぱりジャズってええなあ」って・・・。 
 
 
 
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