ユルユルのソウル・ジャズは良い
昨晩は久しぶりの懇親会。韓国焼肉でワイワイガヤガヤ、韓国の大衆向け醸造酒「マッコリ」をグイグイやりながら、良い感じでの帰宅。「マッコリ」で酔い過ぎることは無く、ホンワカ良い感じで、こんな良い感じの時は、ユッタリとリラックスできるジャズが良い。
と言うことで、久しぶりのソウル・ジャズの登場である。Reuben Wilson 『Set Us Free』(写真左)である。リューベン・ウィルソンはジミー・スミス直系のオルガニスト。確かなテクニックとダイナミックなサウンドと弾けるノリは、ジミー・スミスばり。この『Set Us Free』は、そんなウィルソンのブルーノートの最終作(ブルーノートには全5枚のアルバムを残している)。
1971年7月の録音。ちなみに、パーソネルは、Jerome Richardson (ts, ss), Eugene Bianco (harp), Reuben Wilson (org), David Spinozza (g, el-sitar), Richard Davis (b), Jimmy Johnson (ds), Ray Armando (cga), Gordon "Specs" Powell (per), Mildred Brown, Rosalyn Brown, Naomi Thomas (vo -3,6,7), Wade Marcus (arr), Jimmy Briggs (vo arr -3,6,7)。見渡すと、知っている顔がほとんど無い(笑)。これぞ、ブルーノートの「ソウル・ジャズ」である(笑)。
アルバムから出てくる音は、それはもう絵に描いた様な「ソウル・ジャズ」。絵に描いた様な「ソウル・ジャズ」に軽い感動すら覚える。ユルユルのエレギ、エレベ、脱力感満点の女性コーラス。そこに、キッとしまったウィルソンのオルガンがウネウネ泳ぎまくる。う〜ん、グルーブ満点、適度に濃い、ライトなソウル・ジャズである。
よくよくパーソネルを見ると、 Richard Davis (b)、Jerome Richardson (ts, ss)といった強者が名を連ねているが、他のミュージシャンも同様なんだが、あまり目立たない。目立っているのは、主役のリューベン・ウィルソンのオルガンのみ。確かに、このアルバムでのリューベン・ウィルソンのオルガンは、一聴するとウネウネ・ユルユルしていると感じるが、どうして切れ味は実に良い。
どの曲も同じ感じなんだが、少しずつ聴きどころが異なるところが、このアルバムのニクイところ。ウィルソンのオルガンは、口ずさめるような「キャッチャーなフレーズ」は無いんだが、テーマは聴き易く、アドリブはメリハリが効いてる。何回でも繰り返し聴いていても飽きない、不思議なグルーブとビートが詰まっている。
しかし、要所要所で入る女性コーラスがレトロで、脱力感満点でエエなあ。でも、若い頃はこのレトロで脱力感満点の女性コーラスが気恥ずかしくて駄目だった。あからさまに「イモっぽく」、軽く「エロい」。こんなのジャズじゃ無い、と暫く意識的に遠ざけたソウル・ジャズ。
これが、歳を取って、聴く耳に許容量が増えてくると、このレトロで、脱力感満点な女性コーラスの存在が、なかなか「イモっぽくて」良い(笑)。この女性コーラスの存在こそが、ブルーノート提供の「ソウル・ジャズ」の特徴である。
決して洗練されたジャズでは無い。当時、流行のアレンジ秀逸なクロスオーバーでも無い。コテコテのソウル・ジャズでも無い。適度に濃く、ライト感覚のソウル・ジャズ。当時、ブルーノート・レーベルがリリースした「ソウル・ジャズ」は皆、この適度に濃く、ライト感覚だ特徴。総帥アルフレッド・ライオンが去った後も、ブルーノート独特なソウル・ジャズをリリースしていたなんて、さすがブルーノートである。
ジャケット写真のリューベン・ウィルソンの顔も、適度に濃く、表情はユルユル。アルバムから出てくる演奏は、それはもう絵に描いた様な「ソウル・ジャズ」。グルーブ満点、適度に濃い、ライトな「ソウル・ジャズ」。そして、僕の心はユッタリとリラックス、そして、遂にはユルユルになってお休み〜、である(笑)。
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