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2010年3月 8日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・8

さて、最近、このブログでご紹介するアルバムについては、ちょっとマニアックなものが続いた。ジャズ初心者の方々には、ちょっとハードな内容のアルバムが続いたなあ、と反省している。ということで、今日は、久しぶりに「ピアノ・トリオの代表的名盤」シリーズの第8弾。

ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes)の『Trio, Vol. 1』(写真左)を採り上げたい。ハンプトン・ホーズは、1928年、Californnia州LA生れ。1977年 LAの病院で逝去。ちょうど、ジャズの世界では、ビ・バップからハード・バップ期の「ジャズ黄金時代」を米国西海岸で過ごしたことになります。

ハンプトン・ホーズは、1952年~1954年の3年間、米国進駐軍の兵士として日本に駐在していたそうで、戦後の日本のジャズに大きな影響を与えました。当時の日本のジャズ・ミュージシャンとも親交があって、様々なミュージシャンと共演しています。愛称は「馬さん」。ホーズをもじったものらしいんですが・・・。

この『Trio, Vol. 1』は、1955年6月の録音。パーソネルは、Hampton Hawes (p), Red Mitchell (b), Chuck Thompson (ds)。LAの録音。コンテンポラリー・レーベルからのリリース。ハンプトン・ホーズの特徴的なピアノ・タッチである「オフビート感覚で、もったりとした粘りがあって、跳ねるような、弾くようなピアノ」を愛でるのに、最適なアルバムである。

冒頭の「I Got Rhythm」を聴けば、ホーズは、どちらかと言えば、ビ・バップ系のピアニスト。カッ飛ぶような、疾走感溢れるピアノは、ビ・バップそのもの。しかし、このアルバムは、ビ・バップの様に単純では無い。そのビ・バップ系のピアノを、ハード・バップ系に移行しつつあるような、構築力と展開力のある演奏の連続。その疾走感溢れる演奏は、パウエルライク。しかし、アルバム全体の演奏の内容は、ハード・バップの入り口に立っているような、ちょっと小粋でドラマチックな展開。
 

Hhaws_trio1

 
「I Got Rhythm」の様に、ビ・バップライクな疾走感溢れる演奏から、ラストのカリプソチックな「Carioca」まで、バラードあり、ブルースあり、しかし、どんな曲調の演奏も、しっかりとハンプトン・ホーズの個性にしっかりと染まっているのが、このアルバムの凄いところ。ベースのレッド・ミッチェルの名演も見逃せない。太くて、リズミックに、響くように鳴る彼のウッド・ベースが、ホーズのピアノを更に引き立てている。チャック・トンプソンのドラミングも堅実サポートで好感が持てる。

このアルバムでのホーズのピアノはビ・バップの様に単純明快だけど、アルバム全体の演奏を通して聴くと、ハード・バップの入り口に立っているような、ちょっと小粋でドラマチックな展開というのが、とにかく、ジャズ・ピアノ・トリオとして実に判り易く、実に聴き易い。ジャズ初心者からベテラン・ジャズ者まで、広く楽しむことの出来る、実に内容のあるピアノ・トリオ・アルバムである。

ちなみに、ハンプトン・ホーズの『Trio』シリーズは、Vol. 1〜Vol. 3まである。Vol. 1が、一番、純ジャズとして格調高く、アカデミックな内容である。Vol.2は、オリジナルの3曲目「Blues for Jacque」以外、ジャズ・スタンダードの有名どころがズラリと並ぶ、いわゆる「スタンダード集」。親しみやすいアルバム。Vol.3は、柔らかで和らいでいるが、ハンプトン・ホーズの特徴的なピアノ・タッチはしっかりと残っている。とにかく、聴きやすいアルバム。

純ジャズとして、ホーズのピアノ・トリオを極めていきたいなら、Vol. 1→Vol. 2→Vol. 3の順。小粋なピアノ・トリオとして、楽しく聴き進めていきたいなら、Vol. 3→Vol. 2→Vol. 1の順、がお奨めです。
 
  
今朝は、かなり厳しい「寒の戻り」の我が千葉県北西部地方。とにかく吹きつける東風が寒い。重くて寒い東風は、この時期の風物詩。決まって、3月には厳しい「寒の戻り」がある。寒暖の差に弱い身には、厳しいものがある。よって、体調が良くない日々が続いている。

不意を突く 寒の戻りに 梅寂し
 
 
 
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