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2010年3月10日 (水曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・6

ビッグバンド・ジャズを最近、良く聴く。これって、自分の中で周期がある。実は若い頃、ジャズを聴き始めたジャズ者初心者の頃は、ビッグバンド・ジャズは苦手だった。

何故か? いきなり、ビッグバンド正統派のデューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団を聴いたからだ。今から思えば、ビッグバンド正統派のデューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団は、ジャズを聴き始めて1〜2年目のジャズ者初心者には荷が重い。日本語で言うと「旧仮名遣いの世界」。

絶対にどこかで取り組んで、絶対に理解しないといけない、絶対に避けては通れないものなんだが、ビッグバンド正統派のデューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団は、ジャズを聴き始めて1〜2年目のジャズ者初心者には荷が重い。正直に言うと、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団は荷が重かった。恐らく、早かったんだろう。

それから、暫く、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団を遠ざけて、暫く、ビッグバンド・ジャズを聴かずにいた。でも、ビッグバンド・ジャズについては、外堀から埋め始めた。きっかけは、今までご紹介してきたビッグバンドの楽団。もともと、ビッグバンド・ジャズに再チャレンジしたきっかけが、Manhattan Jazz Orchestra、略してMJO。このMJOの音を聴いて、ビッグバンド・ジャズもいけると感じた。

それから、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団を避けつつ、色々なビッグバンド・ジャズを聴きながら、ビッグバンド・ジャズの外堀を埋めていっている。今日、久しぶりに聴いたのは、そのビッグバンド・ジャズの外堀を埋めるビッグバンド楽団のひとつ、Don Ellis楽団の『Live At Monterey!』(写真左)。1966年9月、ドン・エリス楽団のデビューステージを収録したライヴアルバム。

変拍子の編曲の神様で、名トランペッターでもあるドン・エリス。そのドン・エリスが編成したビッグバンドで、ホーンセクションにピアノ&オルガン、3ベースに3パーカッションの大編成。このライブ盤を聴くと、絶対に、ドン・エリスこそ変拍子ジャズの鬼だと確信する。何故って、このライブ盤に収録された演奏は全て変拍子の演奏なのだ。

Donellis_monterey

それもかなり捻くれた変拍子。冒頭の曲のタイトルは「33 222 1 222」(笑)。全部の数字を足すと19になる。19拍子! あり得ない拍子のようだが、中近東や東欧には、こんな変拍子の曲が実在するとのこと。ドン・エリスはそれをジャズに採り入れたそうだ。この曲は19拍子を「3拍子+3拍子+2拍子・・・」というふうに分けてリズムを刻んでいく。その19拍子の内訳が「33 222 1 222」。

この難曲をビッグバンドでやるのは、相当に骨が折れたろう。このドン・エリス楽団の当時の力量が推し量れるってもんだ。難解な変拍子の曲を、明るくスインギーに、ビッグバンドで演奏する。これって凄いよなあ。聴くのは簡単だが、これって演奏するって凄いことではないか。

実は、このアルバムは、ジャズを聴き始めて1〜2年目のジャズ者初心者の頃、初めて耳にしている。その頃はまだジャズの右も左も判らない頃。変拍子というだけで「きわもの」と判断し、ラテンっぽいパーカションのリズムと明るいスインギーなノリのビッグバンドは「邪道」だと思った。う〜ん、ジャズ者初心者の時代とは恐るべしである(笑)。汗顔の至り。いや〜、ドン・エリス楽団に土下座をした謝りたい(笑)。

整然とした構築力とそこはかとなく漂うファンキーな哀愁が素晴らしい、壮絶な19拍子曲「33 222 1 222」、哀愁溢れるラテン・フレイバー溢れる旋律が、印象的にリフされる5拍子ラテン・ジャズ、後半の異様な盛り上がりが、ビッグバンドならではの「Concerto for Trumpet」。パーカションとトランペットの熱気が凄まじくも楽しい、ノリノリのラスト曲「New Nine」。

このライブ盤は、明るく楽しい、異様までにスイングするビッグバンドの良さを率直に教えてくれます。ビッグバンドはこうでなければね。この『Live At Monterey!』は、ビッグバンド・ジャズの唯一無二の名盤の一枚だと思います。 
 
 
体調の悪さは相変わらず。でも、仕事は途絶えさせることはできないので、仕事をしながら、なんとか体調を回復させていくという荒技に出ている。プロである以上、仕事を途絶えさせてならない時がある。そんなテンションを要求される時にも、仕事での移動中、電車の車窓からの風景に心和む瞬間があるのが「幸せ」である。
 
光る海 心和ませ 春来る
 
 
 
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