フュージョン・パーカッション
寒い日が続いている。とはいっても、2月半ばという時期からすると、これくらい寒い日がちょっと続くのは、当たり前といえば当たり前。と、寒さが嫌いな僕は、なんとか、この寒い日が続くことを、ポジティブにポジティブに考えるように努力している(笑)。
さて、こんな寒い日が続くと、トロピカルな、カリビアンな、明るくて暖かなジャズが聴きたくなる。そう言うことであれば、やはり、フュージョン・ジャズから、そんなアルバムを探すことになる。
なぜか冬になると、良く聴く、トロピカルで、カリビアンで、明るくて暖かなフュージョン・ジャズのアルバムがある。Ralph MacDonald(ラルフ・マクドナルド)の『Trippin』(写真左)。パーソネルを見渡すと、Ralph MacDonald (Per), Steve Gadd (ds), Arbaham Laboriel (b), Robert Mounsey (key), Jeffrey Mirnov (g), Robert Greenidge (Steel ds), Tom Scott (ts) 等々。なかなかの布陣。2000年のリリースである。
ラルフ・マクドナルドはパーカッション奏者。ドラマーのリーダー作は、ドラムだけでは音のバリエーションが少なく、なかなか演奏面をフィーチャーしてのリーダー作をまとめるのは、ちょっと辛いが、パーカッショニストは様々な種類の打楽器を使用することができるので、演奏面をフィーチャーをするにしても、様々なバリエーションのリーダー作をまとめることが出来るのが利点。
ラルフは、この『Trippin』で、様々な種類の打楽器を使用して、様々なパーカションの音色を駆使して、アルバム全編に渡って、明るく暖かい打楽器の音を聴かせてくれる。聴いていて、単純に楽しいアルバムである。
冒頭の「Mango Island」を聴けば、このアルバムの全体の雰囲気が判る。仰々しいストリングスに乗って、チャカポコとラルフのパーカッションが鳴り響いて、続いて、ロバート・グリーニッジのスチール・ドラムが旋律を奏でる。ジャマイカ名産、スチール・ドラムの音を聴けば、気分は既にカリビアン。「Mango Island」の題名どおり、トロピカルな、カリビアンな、明るくて暖かな、ノンビリ長閑なフュージョン・ジャズが展開する。
このアルバムには、ボーカル曲が沢山入っている。ボーカルの入る曲は、ラルフのパーカッションが、ちょっとファンキーに響いて、これがまた良い。R&Bとフュージョン・ジャズを融合したような、スムース・ファンキー・ボーカルと呼びたい、リラックスした、ちょっとトロピカルで明るい楽曲が楽しい。ここまで来たら、純ジャズとはかけ離れてしまっているが、フュージョンとしてはギリギリ、ライトなスムース・ジャズとしても良いでしょう。
「名は体を表す」というが、とっても目立つ黄色いジャケットに、アロハを着たラルフが右手を挙げて「アイヤ~っ」て感じで立っている、このジャケットのイメージ通りの内容です。トロピカルな、カリビアンな、明るくて暖かな、ノンビリ長閑なフュージョン・ジャズ。寒い日に、暖かな部屋の中でビール片手に、夏の日を懐かしみながら、カリビアンな雰囲気に浸る。これ、実は結構個人的に気に入っているんですね(笑)。
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