時には「和みのジャズ」も良い 『Ballads & Blues』
テンション溢れるジャズ、歴史的に名盤と言われるジャズ、そんなジャズを聴くのは楽しいが、長時間、そんなジャズを聴き続けると、耳が感性が疲れてくる。ちょっと休みたくなる。耳を感性を休めたくなる。
そんな時に聴く「和みのジャズ」がある。そんな「和みのジャズ」を聴いて、耳を感性を休めて、ジャズが楽しいものであることを、ずっと維持しつつけるのだ。
そんな「和みのジャズ」の一枚が、Milt Jackson『Ballads & Blues』(写真左)。1956年1月、2月の録音。パーソネルを述べるまでも無い。このアルバムは、ミルトの、バグス(Milt Jacksonの愛称)のヴァイヴを愛でるアルバムである。
ポジティブなブルース・フィーリング、そして、端正で流麗なバラード表現。若き日のミルト・ジャクソンの溌剌とした、ソロ・アルバムの第1弾。ヴァイブの音がとても活き活きとして、弾けるような硬質な響きがとても若々しい。
バグスの素晴らしいテクニックと歌心溢れる演奏で、ヴァイブの粒立ちの良い音が際立って、ヴァイブがこんなにも歌う楽器だったことを再認識させてくれます。『Ballads & Blues』とは言い得て妙なタイトル。ソロ・パフォーマンスのバグスのトレード・マークですね。
この『Ballads & Blues』って、ミルト・ジャクソンのアルバム紹介に出ることは殆ど無いし、もとより、ジャズの歴史を揺るがす名盤でも無い。でも、このアルバムでのミルト・ジャクソンのヴァイヴは、それはそれは絶品であり、それはそれは聴き応えのある名演である。
そのミュージシャンの代表盤として紹介されることは殆ど無いし、ジャズの歴史に残る名盤でも無い。ジャズのアルバムには、こんなアルバムがゴロゴロしているんですよね。あるミュージシャンのアルバムを組織的に聴き進めていたり、たまたまネットをサーフィンしていて、そんな「個人的な隠れ名盤」に出会うんですよね。
時には「和みのジャズ」も良い。ゆったりとリラックスして、耳を感性を休めて、ジャズが楽しいものであることを、ジャズが素晴らしいことを、心ゆくまで楽しむ。今回は、Milt Jackson『Ballads & Blues』。このバグスのヴァイブを聴いて「ジャズってええなあ」と、微笑みを湛えながら、本当に心から思うのだ。
暖かい一日。というか暖かすぎる一日。東京では最高気温が21度(!)。4月中旬から下旬の気温ではないか。はて、今って、2月9日だよな〜。う〜ん、今年の冬の気温の上がり下がりって、実に激しいものがあるなあ。それでも、明日は寒さがちょっと戻るとか。先週は雪が降ったり、なにかと忙しい今年の2月である。
それでも、夜空を見上げれば、春の兆しがしっかりと見て取れる。夜半前、寝る前に北の空を見上げれば、北斗七星が、その柄杓で、春の雰囲気を地上に振りかけているようだ。そんな北斗七星を見れば春は近い。
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