米国西海岸ロックの歌姫
ウェストコースト・ロックの歌姫と言えば、リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)」。70年代の米国西海岸ロックの中心ミュージシャンの1人で、そのルックスと併せて、女性ボーカリストの中で、圧倒的な人気を誇っていました。僕も好きでしたね〜。
バンド時代とソロ2枚目あたりまではカントリーフォーク中心の曲構成でしたが、徐々にロック色を強め、1971年にリリースされた『Linda Ronstadt (album)』(写真左)あたりが、リンダにとっての、米国西海岸ロックの始まりでしょうか。なんせ、後の米国西海岸ロックの雄、イーグルスがこのアルバムのバックバンドを務めていたんですからね〜(当時はまだ無名でした)。
このアルバムの特徴は、Jackson Browne, Eric Kaz, Johnny Cash, Livingston Taylor, Woody Guthrie, Neil Young, Eric Andersen 等のシンガー・ソングライター(以降SSWと略)、そして、バックバンドのイーグルスのメンバーからは、Raynard Minerの作品を取り上げており、さしずめ、当時の米国西海岸ロックのSSWのショーケースの様な面持ちです。
収録された楽曲の全体的な雰囲気は、当時、「カントリーの歌姫」と呼ばれていただけあって、カントリー・フォーク色の強いソフト・ロックって感じです。そのカントリー・フォーク色の強い雰囲気の中に、幾曲か、キラリと光る、趣味良くロック色の濃い楽曲があり、その曲でのリンダのボーカルはパンチと「こぶし」が効いていて、実に活き活きと歌っている。そこが、このアルバムの良いところです。
決して、カントリー・フォーク色の強い楽曲が悪いと言っている訳ではありません。逆に、カントリー・フォーク色の強い楽曲の出来が良いが故、その出来の良いカントリー・フォーク色の強い楽曲の中で、キラリと光る、趣味良くロック色の濃い楽曲が配置されている、というところがこのアルバムの「ミソ」となっています。
LP時代の収録曲の構成は、A面がスタジオ録音、B面がライブ録音。僕はB面のライブ録音が好きで、内容的にも評価してました。なんせ、バックバンドの演奏含めて「上手い」。リンダも声量もタップリ、独特の艶とパンチのある、ちょっとセクシーなボーカルが実に良く映えている。加えて、ライブ録音の方が「ロック」しています。
僕は、このアルバムは70年代の後半、大学時代に手にしました。一回聴き終えて、もう暫くはこのアルバムにドップリ(笑)。今の言葉で言う「ヘビー・ローテーション」でした。冒頭の「Rock Me On The Water」がかかると、友人達が「またこれか〜」って閉口していたのを思い出しました(笑)。
このアルバムを聴いていると、遙か彼方、米国西海岸の風景が頭の中にブワ〜ッと広がるんですよね。カントリー・フォーク色の曲とロック色の曲が上手くブレンドされて、リンダの個性が良く判る、良い内容のアルバムになっています。リンダ・ロンシュタット入門盤としてもお勧めです。
今日はとても寒い一日。我が千葉県北西部地方は、最高気温は7度あたりまでしか上がらず。お昼前頃から強い西風がビュービュー吹きつけ、外に出るとあっと言う間に体温を奪われる、そんな一日。それでも、太陽の日差しは着実に力強さを増し、日も長くなった。立春を過ぎ、春の兆しが徐々に忍び寄る雰囲気が実感として感じられる、そんなここ2〜3日の気候である。
残雪も 心細げに 春立てり
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