スムース・ジャズの源の一つです
僕の大学時代は、フュージョン全盛真っ盛り。フュージョン・ジャズも成熟指揮って、マンネリの影が忍び寄る、そんな峠を越えた「斜陽の時代」に入りかけたそんな時代。
当然、大学生活では、純ジャズは構えて聴き、生活の中で聴くジャズはフュージョンが中心。そんな生活の中で、しばらくの間、毎朝、起き抜けに聴いたフージョン・ジャズのアルバムがある。Spyro Gyraの『Catching The Sun』(写真左)。
冒頭の表題曲「Catching the Sun」が良い。ジャケット・デザインのイメージそのままに、トロピカルで爽快感溢れる、ネイチャー・ジャズという雰囲気が、朝の起き抜けにピッタリなのだ。爽快感が寝ぼけた頭を突き抜ける。実に清々しい気分になる。
起き抜けに決まって「Catching the Sun」。下宿の同居人からは「またこれか〜」なんて、毎日小言を言われたけれど、気にしない気にしない。このトロピカルで爽快感溢れる、ネイチャー・ジャズという雰囲気が良いのだ。今も良いのだ(笑)。
しかし、このアルバム、ジャケット・デザインから受けるイメージとは違って、2曲目からは、アーバンな雰囲気の、ちょっとハードでファンキーなフュージョン・ジャズが続きます。1曲目「Catching the Sun」からの、この雰囲気の落差が、これまた「良い」。このアーバンでハードな雰囲気の楽曲で、起き抜けのボンヤリした頭がはっきりと覚醒する。
このアルバムは、2曲目以降の、ちょっとハードでファンキーなフュージョン・ジャズの楽曲が、実に内容が良く、優れていると思います。後の、現代の「スムース・ジャズ」の源と言って良い、当時のフュージョン・ジャズとは一線を画した、内容とレベルが一段上がった演奏が印象的。
そして、Spyro Gyraの良さは、キャッチーで親しみやすいメロディーと絶妙なアンサンブルです。そして、歌心あふれるソロも魅力的。とにかく判りやすいし、親しみやすい、聴きやすい。これが、Spyro Gyraの最大の武器ですし、僕が、スムース・ジャズの源とする所以です。
『Morning Dance』『Catching the Sun』『Carnaval』。僕が勝手に名付けた「spyro gyraのトロピカル3部作」の2枚目。カリビアンな雰囲気から入って、アーバンな雰囲気の、ちょっとハードでファンキーな世界へ。良い感じです。今もこの『Catching The Sun』は大好きなフュージョン・アルバムの一枚です。
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