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2010年2月 2日 (火曜日)

ジャズと異種格闘技・2

ジャズと異種格闘技、ジャズの世界では、特に、ジャズ・ギターの世界が直ぐに思い浮かぶ。ジャズ・ギターでの「異種格闘技」の一番印象的な例が「パコ・デ・ルシア」。

 

パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)は、スペインのスパニッシュ・ギタリスト。フラメンコの分野で活躍。しかし、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola)のアルバム『エレガント・ジプシー』に参加したことがきっかけとなり、ラリー・コリエル(Larry Coryell)、ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)と3人で、スーパー・ギター・トリオを結成。アコースティック・ギター3本だけのツアーを行う。

 

そして、その後、コリエルがアル・ディ・メオラに代わり、あのライブ名盤『Friday Night In San Francisco』(写真左)を世に出した。 1980年12月5日金曜日のサンフランシスコ、ワーフィールド劇場にてライヴ録音。これがまあ、とてつもなく凄い内容のライブアルバムだったのだ。

 

1981年のリリース。最初、耳にしたのは、FMの番組だったと記憶している。「Mediterranean Sundance/Rio Ancho」が紹介されたのだが、その出だしから「ビックリ仰天」(笑)。この超絶技巧なギターは「いったい、何なんだ〜」。その時、本当に大声を出した「なんや〜これ〜」。それはそれは、もの凄い、超絶技巧なギターの饗宴だった。

 

3人のギタリスト、パコ・デ・ルシアとアル・ディ・メオラ、そして、ジョン・マクラフリン(時々、ラリー・コリエルに代わる)。この3人を「スーパー・ギター・トリオ」と呼ぶ。当時、アコースティック・ギター3本だけのライブ自体が画期的だった。
 

 

Friday_night_in_sfo_2

 

 
この「スーパー・ギター・トリオ」の演奏の基本は、パコ・デ・ルシアのスパニッシュ・ギター。このスパニッシュ・ギターに、ディ・メオラとマクラフリンのフュージョン・ジャズ・ギターが絡んで、この3人にしか表現し得ない、唯一無二のギター・アンサンブルが実現している。スパニッシュ・ギターでも無い、かといって、フュージョン・ジャズ・ギターでも無い。その2つの要素を融合させて、独特の個性溢れるギター・ミュージックを創出している。

 

スパニッシュ・ギターとフュージョン・ジャズ・ギターとの「異種格闘技」の希有な成果である。しかも、空前絶後の超絶技巧のギターが3本。めくるめくインプロビゼーションの世界は、もう至福の世界である。フュージョン、純ジャズ、ラテン。ミュージック、スパニッシュ・ギター、クラシックが好みの方には是非とも聴いて頂きたい。

 

この「スーパー・ギター・トリオ」の演奏は、ジャンルを超えた、独特の個性である。これこそが、フュージョン(融合)であり、コラボレーション(協業)である。異なる分野の人が協力して制作すること。これこそが「異種格闘技」の極みである。

 

どれほど言葉で綴っても、このライブ盤の凄さは語り尽くせない。聴けば判る。一度、聴いてみて下さい。US盤は千円以下で手に入ります(Amazon.jp)。このアルバムが千円以下の値段で聴けるなんて、良い時代になったもんだ。
 
 
朝、起きたら5センチほどの積雪。窓から見る街は真っ白。朝日を浴びて、雪の白さは眩しいばかり。でも、5センチほどの積雪で済んで良かったなあ。朝の通勤については、さほどの混乱も無く、ただただ寒いだけで、なんとか乗り切った。西の空を見れば、ちょっと太めの下弦の月が印象的にポッカリと浮かんでいた。
 
雪の朝 空に戸惑う 下弦月 
 
 
 
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