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2010年1月23日 (土曜日)

「シカゴ」を初めてまともに ...

シカゴと言えば、70年代後半~80年代のバラード・AOR系のロックバンドというイメージが強いが、デビュー以来、ホーン・セクションを大胆にフィーチャーしたブラス・ロックの主要バンドの一つであった。

60年代終わりから70年代前半にかけて、米国ロック界を風靡したブラス・ロック。ブラスの音が好きなので、中学からブラス・ロックが気に入っていた。ブラス・ロックと言えば、このシカゴとブラッド・スウェット&ティアーズ(BS&T)や、チェイス(Chase)が有名だが、このシカゴだけは手を出さなかった。

何故手を出さなかったのか。デビューから3作連続でLP2枚組をリリース。このLP2枚組が難物だった。僕は、高校時代からロックのアルバムを購入し出したのだが、他にも色々なアルバムが欲しい中で、LP2枚組が辛い。まず、当時の1ヶ月の小遣いではLP2枚組は、そもそも手に入らない(笑)。シカゴは最初から諦めた。当時、LP2枚組は高嶺の花であり夢だった。シカゴはいつか手に入れて聴いてはみたい、と思っていた。

CDの時代が来て、著作権がコロンビアの手を離れて、ライノのリマスターが出て、なんとLP2枚組がCD1枚にまとめられて、米国盤CDでは、なんと千円台前半で手に入るようになった(円高も悪くない)。ただ、僕の場合、今ではジャズが主流なので、ロックはどうしても後回しになる。そして、いよいよシカゴのアルバムを購入する時期が来た。

まぎらわしいんだが、シカゴは、最初は、シカゴ・トラジット・オーソリティというバンド名でデビュー作をリリースしている。その名前をそのまま取って、『Chicago Transit Authority(邦題:シカゴの軌跡)』(写真左)。ジャケット・デザインが2種類あると思ってしまうが、小さいデザインが表。
 

Cta_1st

 
冒頭、テリー・キャスが書いた「Introduction」で幕を開けますが、これがもう、イントロからブラス・ロックの雰囲気満載。いやいや良い感じです。短いながらも、バンドのそれぞれのパートの聴きどころがフィーチャーされた演奏は、まるでコンサートでのハイライト、いわゆるメンバー紹介さながらで、シカゴにとっての第1曲目に相応しい楽曲です。

反戦運動、学生闘争のシンボルとされていた激動の1960年代後半にリリースされたデビューアルバムらしく、邦題の方がその印象が判りやすい、2曲目の「いったい現実を把握している者はいるだろうか?」、4曲目「クエスチョンズ67/68」、そして、10曲目「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」から「流血の日(1968年8月29日)」など、政治的思想的な内容の楽曲が収録されているのが興味深い。ロックと社会が接近していた時代ならではの内容である。

実験的な面の垣間見ることができる。7曲目の「Free Form Guitar」は、7分弱の長尺曲であるが、延々とフリーフォームなギターフレーズが続く。これにはちょっと閉口する。まあフリージャズを聴き馴れた耳にはあまり違和感は感じないが、一般のロック・ファンには、ちょっと苦しいだろう。時代を反映している楽曲と言えば、まあ、これはこれでまあ良いでしょう(笑)。

「Does Anybody Really Know What Time It Is?」「Beginnings」「Questions 67 & 68」などなど、ロバート・ラムが作曲で大活躍です。ロバート・ラムの楽曲が好調の中で、バンドの中心メンバーであるロバート・ラム(key,vo)、ピーター・セテラ(b,vo)、そしてテリー・キャス(g,vo)の3人の「三者三様の個性」を楽しめるところが、このファーストアルバムの最大の聴きどころでしょう。

いや〜、やっとシカゴを聴き始めることが出来た。中学時代から、FMでシングルカットされた楽曲を中心に細々と聴いてはいたが、アルバム単位でジックリ聴いたのは初めてですが、なかなか良いですねえ。ジャズ・マニアの僕にも、ブラスの音は心地良く響きます。なんだか今年は「シカゴ」中心の「懐かしの70年代ロック」になりそうな気配です。
 
 
 
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コメント

はじめまして。jamkenといいます。ブラスROCKは私ものめりこみまして。やはり、チェイスが最高峰なのかなと。しかし、一番時代にそくして生き残っていったBANDはなんといってもシカゴでしょう。私は中期から聞き始めましたが初期のエネルギーも好きでした。

初めまして、jamkenさん。松和のマスターです。

チェイスが最高峰、同感です。純粋なブラス・ロックという切り口では、
チェイスが純粋なブラス・ロック、と感じてます。悲劇的な最期では
ありましたが・・・。ファーストアルバム「CHASE」は今でも聴いて
いてワクワクします。

「jamkenのMUSICJAM音楽評」、拝読しました。70年代ロックの
マニアの我々にとって、なかなか興味ある内容で感心しました。

今後とも、バーチャル音楽喫茶『松和』をよろしくお願いいたします。
 

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