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2010年1月11日 (月曜日)

テナーは「肉声に近い」迫力やね

寒い。凄く寒い。年末より全国的に寒さが厳しいんだが、関東地方、特に東京・千葉は少し、その全国的な厳寒から外れていて、天気が良くて太陽の日差しが豊かだと、それなりに暖かく感じて、昨日まではなんとか、今年の寒さを凌いできていた。が、今日は寒い。今日の我が千葉県北西部地方の最高気温は5度。もう冬眠したい気分である(笑)。

こんな厳寒な日は「熱いジャズで暖まろう」とは思わない(笑)。じっくりと聴き入る、ジャズらしいジャズが良い。このところ、ジャズ・ピアノが続いていたので、ちょっと管楽器が聴きたくなる。そこで、最近、凝り始めている、ソニー・ロリンズである。

テナー・サックスは、肉声に近い音色とブロウが特徴で、その音は時に心を揺さぶるものがある、と言われるが、確かにその通りだと思う。特に、ジャズ・ジャイアントと呼ばれる、ジャズの偉人とされるテナー奏者のブロウは、まさに「肉声に近い」迫力である。ジョン・コルトレーン然り、スタン・ゲッツ然り。そんな中、歌心溢れるテナーといえば、やはり、ソニー・ロリンズだろう。

そんなソニー・ロリンズのテナーのテクニックと歌心溢れるブロウを感じるに格好のアルバムがある。今日はそれをジックリ聴く。1985年リリースの『The Solo Album』(写真左)である。1985年7月19日、ニューヨーク近代美術館におけるソロ・パフォーマンスを収録したライヴ盤。一時間近い長時間のアドリブをノンストップで演ってゆく、常人には考えられないパフォーマンスである。
 

Sonny_solo

 
とにかく、全編に渡って吹きまくるロリンズのインプロビゼーションが素晴らしい。次から次へと、印象的なメロディーが湧き出てくる。これって才能と経験から来るものなんだろうけど、呆れるほど凄い。どこかで聴いたことあるもの、聴いたことのない魅力的な展開を持つもの等々、目眩く、印象的なフレーズの嵐。このライブ、生で聴いてみたかったなあ。

確かに、ロリンズの演奏が視認できないCDでは、最後まで聴き通すのは辛いものがあるかもしれませんね。コード楽器とリズム楽器が全く無い中で、テナーのブロウだけが延々1時間近く続くんですから。ジャズファンの皆さん全てにお勧めするものでは無いと思います。

でも、その内容は傑出したものがあります。ジャズのテナー演奏って、どんなものなのか、実体験するにはもってこいの、教科書のようなライブ盤だと僕は思います。歌心溢れるロリンズのテナーの素晴らしさと個性、特徴を体感するには最適のソロ・パフォーマンスだと思います。ロリンズのテナーのテクニックの素晴らしさも特筆ものです。

アーティストたるもの、チャレンジを忘れてはならない。でも、そのチャレンジは、日々の鍛錬と日々の精進の裏打ちがあってのもの。ロリンズの芸術家魂の一端を垣間見た想いがする、素晴らしいソロ・パフォーマンスではないでしょうか。

今日は、ちょっとかなりマニアックなアルバムを選択しました。これも、今日の厳寒のせいだと思っています。寒い日は、どうしても心が俯き加減になりがちなんですが、このロリンズのソロ・パフォーマンスを聴いて、寒さに負けそうな心を奮い立たせました。さあ、3連休も終わり。明日からまた頑張りますか (^_^)v。

今日は成人の日。う〜ん、自分の成人の日は遠い彼方。でも、あの頃も今も、成人の日は寒さの厳しい日が多いですね〜。成人式に参加された方々、お風邪を召されぬように・・・。 

成人の 想いを込めて 晴れ着かな

  

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