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2010年1月27日 (水曜日)

安心感抜群のハードバップ

眠い。故あって眠い。こんな時に、難しいジャズ、刺激的なジャズは御法度。絵に描いたようなハードバップが良い。それも、なんか「まったり」としたハードバップが良い。

と、思いながら選んだアルバムが久々のチョイス、アート・ファーマー(Art Farmer)の『Portrait of Art Farmer』(写真左)である。東海岸ジャズのアート・ファーマーが、なぜか西海岸のコンテンポラリーに録音した唯一の作品。パーソネルは、Art Farmer (tp), Hank Jones (p), Addison Farmer (b), Roy Haynes (ds) 。1958年4月及び5月の録音。

ファーマーからすると、ごくごく初期のリーダーアルバムの一枚である。それでも、全編に渡って、ファーマーのトランペットの個性が満ちあふれているのは立派である。金管楽器のトランペットでありながら、つんざくような、切り裂くようなペット独特のブロウは全く無く、エッジが丸く、ほんわかした、優しく包み込むようなペットの音色は、既に、ファーマーの個性を確立している。

後に、フリューゲル・ホーンを手に、そのエッジが丸く、優しく包み込むような音色に磨きをかけ、フリューゲル・ホーンの使い手の第一人者として、その名を馳せることになる。そんな彼のキャリアが十分に理解できる、この『Portrait of Art Farmer』での、ファーマーのエッジが丸く、ほんわかした、優しく包み込むようなペットの音色である。
 

Portrait_of_art

 
とりわけ、このアルバムでは、ファーマーの覇気溢れるトランペットが全編に渡って聴くことができる。しかも、バックがなかなか健闘していて、特に、ピアノのハンク・ジョーンズの印象的な右手の旋律が素晴らしい。ハンク・ジョーンズがこれだけ全面に立って弾くピアニストだとは思わなかった。印象的な右手といえば、レッド・ガーランドだが、レッド・ガーランドより、黒くて粘りがあって切れ味あるタッチは、ハンク・ジョーンズならではの個性。このアルバムの二義的な楽しみは、ハンクのピアノを愛でることだろう。

選曲も良い。どこから聴いても、安心感抜群のハードバップ。ファーマーの個性も溢れんばかり、ハンクのピアノに新しい発見をした喜びを感じ、アディソン・ファーマーのベース+ロイ・ヘインズのドラムの堅実なサポートに限りない安心感を感じる。ジャズの、ハードバップの良心を感じる事の出来る、隠れた優秀盤だと思います。

ほとんどと言って良いほど、ジャズの入門本やジャズのアルバム紹介本に挙げられることのないアルバムですが、この『Portrait of Art Farmer』って、安心感抜群のハードバップ盤として、広くジャズ・ファンの方々にお勧めの佳作です。

今日は日中は暖かな日。夕方から風が強くなってきたが、底冷えする寒さではない。なんだか、2月の終わりから3月初めの気候かな、と思う、我が千葉県北西部地方の今日の天気。もう氷が「凛とはる」朝は無いんだろうか。着実に春に歩を進めつつある、我が千葉県北西部地方の気候である。
 
 
 
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