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2009年12月25日 (金曜日)

エリック・クラプトン自伝

エリック・クラプトン(Eric Clapton)というギタリストは、もともと品位方正な人物では無い。1970年代、リアルタイムで、彼の麻薬禍からの復活や、アルコール中毒への没入など、離婚再婚そして離婚再婚などを見聞きしてきた。どうも、クラプトンというのは、その音楽と人格が一致しない、とんでも無い人格をしている、ということは理解していた。

で、今回、昨年4月に発刊された『エリック・クラプトン自伝』(写真左)を、やっと手に入れて、早速、読破した。「やっと」というもの、この本、定価三千円弱する代物である。さすがに、本でこの定価だと、手に入れるのには「迷う」ってもんだ。

この本は「自伝」と言うことで、クラプトンは、1945年、イギリス・サリー州リプリー生まれ、だから、500ページ弱のボリュームで、約60年の人生を振り返ったものである。よって、彼のそれぞれ時代でのトピックがズラ〜ッと並んだ、彼の人生のトピックの「コンピレーション」的な読み物である。

読み通して思うのは、やはり、クラプトンは、相当「だらしない性格」だと言うこと。しかし、その「だらしない性格」も、これだけ赤裸々に、ほとんど実名入りで語られると、なんだか「感動」すら感じるのだ。

彼に音楽があって良かった、と思う。神様から音楽の授かり物が無かったら、彼は単なる「性格破綻者」か若しくは「アル中」「ヤク中」である(苦笑)。しかし、よくもまあ、禁固の憂き目にあわなかったことだろう。よくもまあ、死ななかったものだ。

特に、十代半ばから、息子がNYの高層アパートから転落死する頃までは、彼の生き方は無茶苦茶である。これだけ、私生活が無茶苦茶でも、1970年代、あれだけのアルバム成果を上げられた事は奇跡に近い。というか、音楽的成果って、そのミュージシャンの私生活や人格とは全く関係の無いものなんだ、ということを改めて強く感じる。

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ジャズの世界だってそうだ。チャーリー・パーカー、バド・パウエル、ジャコ・パストリアス、等々、音楽的成果って、そのミュージシャンの私生活や人格とは全く関係の無いものなんだ、と強く思わせる事例がゴマンとある。でも、一番幸せな事は、音楽的成果が、そのミュージシャンの私生活や人格と正比例することなんですけどね。

この『エリック・クラプトン自伝』を読み進めて、60歳を迎えることになって、やっと人間的に普通の状況になって、やっと「安息の地」を手に入れたところで「ホッ」とします。彼の言葉の中に「欲望と愛情の区別、快楽と幸せの区別を知らなかった」とありますが、それはちょっと普通の人の感覚では無いですよね。

特に、クラプトンは、1970年代は正にその感覚だったと思いますが、そんな状態で、佳作と呼ばれるアルバムを次々にリリースしていたんですから、才能の突出した人はイマイチ良く理解できません。凡人には絶対に出来ないことです。

クラプトンの音楽的成果を尊敬し、「その音楽的成果=クラプトンの人格」と思いこんでいるファンにとっては、この『エリック・クラプトン自伝』の内容はショックでしょうね。でも、そんな方々に、是非とも読んで頂きたい。それぞれの名盤がどういう環境で、どういう感覚で生まれたのかが良く判って、クラプトンの音楽的成果をより深く知ることが出来ると思います。
 
最後に、ネットでの評価で結構指摘されていますが、確かに、翻訳がイマイチですね。完全直訳風で、固くて、ちょっと読み辛く、小説を読むようにワクワクしません。でも、この『エリック・クラプトン自伝』が翻訳本として出版され、日本語で読み進めることが出来る、ということはとても有り難いことです。辞書片手に読むと結構時間がかかりますからね〜。今回は、通勤電車の往き帰りで約1週間で完読できました。さすがに翻訳本は助かります。
 
クラプトンのファンに「お勧め」です。ちょっと値が張りますが、クラプトンを理解し、彼を確認するには、格好の自伝だと思います。そして、この自伝を読んで、こんな人生も「あり」だよな、と思うか、クラプトンには裏切られた、と思うか。でも、この自伝のクラプトンが、真実のクラプトンなんですよね。彼の私生活がいかなるものであって、彼の音楽的成果の素晴らしさは不変です。でも、本当に、クラプトンって「だらしない性格」だよな〜(笑)。
 
 
 
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コメント

自分もクラプトンの大フアンで、かれこれ、30年は聞いている
クラプトンの私生活は、実はそんなに荒れた
物ではないと思う。奇人変人とか言われる人は実は、私生活はまじめで
物静かなことは知っている。


私は、オーシヤンブルーバードのCD
や、マイウエイホーム、スマイル、ネクストタイムユーシハーとか
ビールを飲んで聞いていると、お酒のオカズにはちょうどいいんだ。
ストラトキヤスターの頼りない音と、これまた、力のないクラプトの
ボーカルを聞いていると、酒がはかどるんだ。
どこか、物足りないが、垢抜けていている。のがいい

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