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2009年12月22日 (火曜日)

George Harrisonカバー・ジャズ

今年は、ビートルズ・リマスターの年だった。久しぶりに「ビートルズ」を思い出させてくれた。ビートルズのメンバーの中では、僕は圧倒的に「ジョン・レノン」である。圧倒的にジョンのマニアである。

では、ビートルズのメンバーの中で、「第3の男」は誰か。恐らく、ビートルズの「第3の男」と問われれば、ジョージ・ハリソンかリンゴ・スターのどちらかになるだろう。僕にとっては、ビートルズの「第3の男」はジョージ・ハリソン。だって、リンゴは曲がほとんど書けないではないか(笑)。

しかしながら、ジョージの楽曲は、かなりユニークである。というか、コード進行がかなり「変」。コード進行が「捻れている」。おおよそ、ポップスの王道を遙か離れたというか独特というか、ちょっと病的なコード進行をしている曲が多々ある。とにかく、カバーし難い。予測できないコード進行が「てんこ盛り」である。

よって、ジャズの世界でカバーされるジョージの曲は、ほとんど「サムシング」だけ。「サムシング」は、ジャズの世界では「イエスタディ」につぐ、カバーの多さを誇る。なんせ、あのフランク・シナトラだって、ジョージの「サムシング」をカバーしているくらいだ。

逆に、他の楽曲はほとんどカバーされることは無い。ジャズでカバーするには、ちょっとコード進行が「捻くれ過ぎている」のだ。しかし、ジャズ界は広い。そんな「捻くれた」ジョージの楽曲にも関わらず、たまたま苗字が同じだけで、アルバム全曲、ジョージのカバー・ジャズで埋め尽くした、空前絶後、唯一無二なアルバムをリリースしたギタリストがいる。

Joel harrisonの『HARRISON ON HARRISON』(写真左)である。2005年10月のリリース。パーソネルは、JOEL HARRISON(eg,g,vo),DAVE LIEBMAN(ss,ts,wood-fl),DAVID BINNEY(as),URI CAINE(p,rhodes),STEPHAN CRUMP(b),DAN WEISS(ds),TODD ISLER(perc),GARY VERSACE(p),ROB BURGER(org),JEN CHAPIN(vo)。う〜ん、ほとんど知らんメンバーばかりじゃ〜(笑)。

Harrison_on_harrison

収録されている曲は以下の通り。

1. Here Comes The Sun
2. Within You Without You
3. While My Guitar Gently Weeps
4. The Art Of Dying
5. My Father's House
6. All Things Must Pass
7. Taxman
8. My Sweet Lord
9. Love You To
10. Beware Of Darkness
11. Isn't It A Pity

ジョージのファンの方々はお判りかと思うが、これがなかなかの選曲である。ジョージの楽曲を、ビートルズ時代からソロ時代まで、知り尽くしていないと、この選曲は無いだろう。しかも、ジャズとして、カバーの「し甲斐」のある楽曲が並んでいる。Joel harrison侮り難し、である。

ただし、冒頭の「Here Comes The Sun」のカバーは、ちょっと戸惑う。悪くは無いんだが、ここまでデフォルメせんでも、と思ってしまうほどの、デフォルメの仕方。旋律を追う聴き方をしたら、耳がおかしくなること請け合い(笑)。でも、ビートとリズムを追いながら、Joel harrisonのギターを聴き進めると、Joel harrisonのギターの実力のほどが実感できる。Joel harrisonのギターはかなりの水準である。

3曲目「While My Guitar Gently Weeps」から、Joel harrisonのギターとジョージの曲想がシンクロし始める。良い感じだ。アルバム全曲見渡すと、やはり、ジョージの3枚組傑作『All Things Must Pass』からの楽曲のカバー・ジャズが良い感じである。特にラスト2曲「Beware Of Darkness」「Isn't It A Pity」は絶品。現代ジャズの先端に近い、高度なジャズ演奏で、「捻れた」ジョージの楽曲を、完璧なまでにジャズの世界の中でカバーしている。

良いアルバムだと思います。現代ジャズの先端のアレンジ力や演奏力が、バリバリに体験できるアルバムであり、ほとんど例を見ない、ジョージの楽曲を全編に渡ってカバーした、空前絶後の「企画もの」でもあります。ジョージ・ハリソンのファンの方々には、是非とも一度聴いて頂きたいアルバムです。おもわず「仰け反ったり」、おもわず「ニヤリ」としてしまうこと請け合いです。
 
 
 
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