第2期RTF・Polydor3部作完結
朝から、シトシト冷たい雨。午後から徐々に雨足が強くなり、夜、帰宅時には結構強い雨に。しかも、結構、冷え込んで、体に吹き付ける風がかなり冷たい。う〜寒い〜。
氷雨来て 家族団らん 鍋の夜
さて、今日の話題は、第2期Return To Forever(RTF)の第3作目。第1作『Hymn of the Seventh Galaxy』、第2作『Where Have I Known You Before』、そして、この3作目『No Mystery』(写真左)を併せて、僕は第2期RTF・3部作と呼んでいる。
この3作目『No Mystery』は、1976年のリリース。Chick Corea (p,el-p), Stanley Clarke (b), Lenny White (ds), Al Di Meola (g) のメンバーになって2作目。メンバーの結束も固く、関係も良好。超絶技巧な演奏を軸に、実にこなれた、ハードな「フュージョン・ジャズ」を展開している。しかし、面白いのは、双頭リーダーの、チック、クラーク、それぞれが異なる方向の音楽的志向になってきていること。
1曲目「Dayride」から「Jungle Waterfall」「Flight of the Newborn」「Sofistifunk」までの4曲は、バリバリのファンク・フュージョン。フリー+ファンクの洪水である。ベースのクラークは、もうノリノリ。ブンブン弾きまくる。ドラムのレニーも、結構、余裕で叩きまくる。でもなあ。チックのファンク・キーボードは上手いんだけど、なんか違和感があるし、ディ・メオラのファンク・ギターは、ファンクのビートに演奏が規制されて、なんとなく窮屈そうだ。
逆に、5曲目の「Excerpt from the First Movement of Heavy Metal」「No Mystery」「Interplay」「Celebration Suite, Pt. 1」「Celebration Suite, Pt. 2」の5曲は、スパニッシュ・フレーズがそこかしこに散りばめられた、チック独特の世界が展開されている。当然、チックは、チック独特のフレーズを弾きまくる。キーボードのどこの旋律を切り取っても、どれもが「チックの音」。
そして、ディ・メオラは、バカテク・ギターを伸び伸びと弾きまくる。しかし、クラークのベースは、ちょっと奥に引っ込んだ感じで、目立たない感じ。ドラムのレニーは両刀使い。これまた、結構、喜々として叩きまくっている。
第2期RTFもいよいよ、チックとクラークの音楽性が、はっきりと二分されつつあり、グループ・サウンズとして、先が見えてきたかなあ、という感じのアルバムです。とにかく、ファンク・フュージョンを演奏するチックとディ・メオラは違和感がある。いやいや、テクニック抜群の二人なんで、バッチリとファンク・フュージョンを演奏しているんですよ。でも、なんか窮屈そうというか、乗り切りれていないという感じがします。
この『No Mystery』は、チックとクラークの音楽性が、はっきりと二分されつつあるとは言え、アルバムの内容は上々です。当時、最先端のフュージョン・ジャズだと思います。そして、このアルバムの後、Columbiaに移籍し、あの最高傑作の誉れ高い『Romantic Warrior』を世に出すことになります。そのお話しはまた後日・・・。
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