ビッグバンド・ジャズは楽し・2
ビッグバンド・ジャズは、どこから取っついたら良いのか、と思われる方も多いと思う。我々が若かりし頃(約30年位前?)は、ビッグバンド・ジャズと言えば、デューク・エリントン楽団、若しくは、カウント・ベイシー楽団を聴け、だった。でも、ジャズ初心者の時代にいきなり、この2大ビッグバンド・ジャズ楽団を聴くと、録音の古さもあるんだが、古文、若しく旧仮名遣いの文章を読む面持ちがして、ちょっと聴くのが苦しい、というか、何が素晴らしいのかが判り難いのではないだろうか。
もう少し、判りやすく入ることの出来るビッグバンド・ジャズは無いものか、と思っていたら、数年前、「スウィング・ガールズ」という映画が突如として発表されて、ビッグバンド・ジャズの楽しさを映画を通じて教えてくれた。確かに、この「スウィング・ガールズ」は、ビッグバンド・ジャズの楽しさが満載である。
そして、つい最近、今年の7月に、Juilliard Jazz Orchestraの『仮面舞踏会 (Waltz Masquerade)』(写真左)がリリースされたんだが、これが、全く持って、ビッグバンド・ジャズの入門盤に最適な内容なのだ。
Juilliard Jazz Orchestraとは、マイルス・デイヴィスをはじめ、ウィントン・マルサリス、中村紘子など世界的に活躍しているミュージシャンら、多数の名手が学んだことで知られるジュリアード音楽院の精鋭で構成された楽団で、今回の『仮面舞踏会 (Waltz Masquerade)』は、全学年合わせて約20人の狭き門をくぐりぬけたジュリアード・ジャズ・コースの精鋭達が、音楽院の教授陣をゲストに繰り広げるビッグ・バンド・ジャズのスタンダード曲集である。
収録された曲を見て欲しい。ベイシーやエリントンなどおなじみの楽曲がズラリと並ぶ。これぞ、ビッグバンド・ジャズの教科書とも言える選曲の良さ。
1. サッチ・スウィート・サンダー
2. A列車で行こう
3. ラプソディー・イン・ブルー
4. コットン・テイル
5. ベイシー・ストレート・アヘッド
6. 仮面舞踏会
7. サテン・ドール
8. シャイニー・ストッキング
9. シング,シング,シング
10. グルービン・ハード
11. ワン・オクロック・ジャンプ
そして、さすが、ジュリアード・ジャズ・コースの精鋭達+音楽院の教授陣である。端正でダイナミックで精緻な演奏を繰り広げる。崩れるところが全く無い。そこが面白くないとする向きもあるかもしれないが、ビッグバンド・ジャズ入門盤としては、この整った演奏が最適だと思う。
超エリート集団であるジュリアード・ジャズ・オーケストラによる、活きのいいフレッシュなビッグバンド・ジャズ。聴いていて楽しく、聴いていてビッグバンド・ジャズが判る。良いアルバムだと思います。
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