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2009年12月19日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・11

さて、久しぶりの「ジャズ喫茶で流したい」シリーズである。今回は第11回目。第9回に続いて、Charlie Rouse(チャーリー・ラウズ)のアルバムを採り上げたい。

「ジャズ喫茶で流したい・9」でご紹介したラウズのアルバムは『Social Call』だった(10月5日のブログ参照・左をクリック)。これぞハードバップって感じで、アグレッシブに、はたまたリリカルに、実に味わい深い演奏を聴かせてくれる佳作であった。

今回、採り上げるラウズのアルバムは『Moment's Notice』(写真左)。ジャケット・デザインも渋い、ラウズのカルテット盤。パーソネルは、Charlie Rouse (ts), Hugh Lawson (p), Bob Cranshaw (b), Ben Riley (ds)。1977年10月の録音である。

チャーリー・ラウズは、伝説のピアニスト、セロニアス・モンクとの共演で最も知られるテナーサックス奏者。ラウズはモンクとの相性が抜群でした。テクニックに優れ、スケールの広い、モンクの音にぴったり呼応して、モンクの予期せぬフレージングに呼応して、臨機応変に吹きかえす技については、ラウズの右に出る者はいない。

ただ、モンクとの共演が長かったので、マンネリ奏者とか、一人立ちできないテーマンとか、地味で目立たずマンネリなテナー奏者の様な言われ方をされることがありますが、実に残念な言われ方です。この『Moment's Notice』や先にご紹介済みの『Social Call』を聴いて貰えば判るのですが、少し「くすんで掠れた」ポジティブな音が魅力的な、バップ的でアグレッシブなテナー奏者です。

さて、この『Moment's Notice』は、泥臭いハードバップという感じがピッタリかと思います。全編に渡って、ラウズを筆頭に、カルテット全体がハードボイルドにインプロビゼーションを展開していくところなんて、実に魅力的です。とにかく徹頭徹尾、ハードボイルドでジャジーな雰囲気で押しまくっています。

Moments_notice

冒頭の「The Clucker」は、そのハードボイルドでジャジーな雰囲気が満載。疾走感溢れるハードバップです。ユニゾン、ハーモニーもバッチリ決まって、ラウズはアグレッシブにテナーを吹き進めて行きます。この曲は疾走感が最大の魅力でしょう。面白いのは、テーマ部の終わり、「きめ」の部分のハーモニーが、日本古謡の「さくらさくら」の出だしにそっくりのフレーズで、とても耳に残ります。僕は、この「The Clucker」をひそかに「さくらさくら」と呼んでいます(笑)。

4曲目、モンクの「Well, You Needn't」は、さすがに素晴らしいテナー・ソロを聴かせてくれます。さすがに、モンクの下に長くいただけはありますね。これはまかせておけ、という感じの「オハコ」感が嬉しいです。安心感抜群ですな(笑)。

6曲目の名バラード「A Child is Born」では、ラウズは悠然とテナーを吹き上げていて、これがまた何とも言えない心地良い雰囲気を醸し出している。自作のブルース2曲目の「Let Me」、7曲目「Little Sherri」では、実に気持ちよさそうな雰囲気でアドリブを展開、とにかく楽しげに、余裕をかましながら、テナーを吹き回す。これがまた良い雰囲気なんですよね。

加えて、この『Moment's Notice』の魅力は、バックのリズム・セクションにあります。まず、ピアノのHugh Lawsonが絶好調。歯切れの良い、硬質なタッチが実に魅力的です。ラウズの少し「くすんで掠れて」軽い雰囲気の吹き回しのテナーと好対照で、実に良い組合せです。ベースのBob Cranshawも「つんつんつん」と独特の音を響かせながら、しっかりとビートを刻んでいます。そして、ドラムのBen Rileyが実に堅実でテクニックのあるドラミングで、カルテット全体の演奏を支えています。良いリズム・セクションです。

ラウズのテナーは、少し「くすんで掠れて」軽い雰囲気の吹き回しなのですが、茫洋というか悠然というか、吹き回しの余裕の部分がなんとも言えない雰囲気を醸し出すんですよね。実に不思議なテナーマンです。
 
今日も朝から寒い一日。しかし、日差しが豊かで、日向を歩いている分には、しっかりと着込んでおれば、あまり寒さは感じない。しかし、今日の体調はあまり優れず。昨日の忘年会で飲み過ぎたのか、ちょっと悪酔いして、今朝はしっかり二日酔いで頭が痛い。もういい歳なんだから、酒もほどほどにしないとね。大いに反省しきり、である。
 
寒風に 吹かれ追われて 千鳥足
 
 
 
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