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2009年11月17日 (火曜日)

時には「こんなジャズも良い」

寒い。冷たい雨。朝から冷たい雨。そして、帰宅時には、寒くて強い北風と横殴りの冷たい雨。今日の我が千葉県北西部地方は「大荒れの天気」。ハーフコートを羽織っていって良かった。嫁はんの言うことは聞くものである(笑)。

背を丸め 氷雨の先に 我が家かな

さて、この大荒れの寒い雨の朝、往きの始発を待ちながら、iPhoneを指タッチしながら、アルバムをサーチ。そう言えば、最近、トランペットのジャズを聴いていないなあ、と想いながら、タッチタッチ。すると、フレディ・ハバードの項に行き当たった。

アルバムを見ていくと、フュージョン・ブームの立役者、CTIのアルバムが目に付いた。1970年11月の録音。フレディ・ハバードの『Straight life』(写真左)である。1970年と言えば、フュージョン黎明期、まだ、フュージョンが、エレクトリック・ジャズとか、クロスオーバーと呼ばれた時代。

パーソネルは、Freddie Hubbard (tp) Joe Henderson (ts) Herbie Hancock (p) George Benson (el-g) Ron Carter (b) Jack DeJohnette, Richard "Pablo" Landrum (ds) Weldon Irvine (tamb)。エレクトリック・ジャズっぽいメンバーは、エレキギターのジョージ・ベンソンくらい。1970年といえば、クロスオーバー・ジャズと呼ばれた時代。どんな演奏だったっけと思って「選択」。

「Straight life」「Mr. Clean」「Here's that rainy day」の、たった3曲しか収録されていない。しかし、1曲目の「Straight life」と2曲目の「Mr. Clean」は、絵に描いたようなクロスオーバー・ジャズである。でも、決して、フュージョンっぽくは無い。安っぽくも無い。今の耳で聴くと、これはこれで立派なハードバップ・ジャズと言って良いんじゃないか、という充実した内容。
 

Freddie_straight_life_2

 
ハバードは勿論のこと、テナーのジョー・ヘンダーソン、ドラムスのジャック・デジョネットが好調である。3人とも、実にエモーショナルなインプロビゼーションを繰り広げる。ハービー・ハンコックのピアノも何時に無くノリノリ。ビートは8ビート。8ビートのハードバップとしては、実に秀逸な演奏である。

このアルバムの「Straight life」「Mr. Clean」の演奏を聴いて、これだけテンションが高くとテクニックが優れた8ビートのハードバップを演奏できるバンドが、今のジャズ界にどれだけあるだろう。さすが、1950年代のハードバップ期から第一線を張ってきた一流ミュージシャン達である。演奏がひと味もふた味も違う。

そして、3曲目の「Here's that rainy day」が素晴らしい。美しい。ハバードは、トランペットを持ち替えて、フリューゲルホーンを実に朗々と情感豊かにしっとりと吹き、伴奏では、あのジョージ・ベンソンがアコースティック・ギターで優しくサポートする。実に見事なバラード演奏となっています。

この1曲だけは、iPhoneやiPodではなく、ちゃんとしたステレオ・セットで聴きたい。実に情感豊かなジャズ・バラードがここにあります。これが1970年のクロスオーバー全盛期のジャズ演奏とは、いや〜、ジャズって奥が深い。

気軽にチョイスして、グルービー、ムーディーで、テンションが高くとテクニックが優れた8ビートのハードバップと、実に見事なバラード演奏が同時に楽しめる。良いアルバムです。外の冷たい雨音を聞きながら、フレディ・ハバードの『Straight life』を愛でる。そして、心から思う。時には「こんなジャズも良い」。
 
 
 
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