冬に楽しむフュージョンは...
小春日和の良い天気。朝から快晴の千葉県北西部地方です。気温もやっと平年に向けて回復して、17度まで上がった。なんとなく長閑で過ごしやすい気温。良い感じの土曜日です。
転た寝も 小春日浴びて 昼下がり
立冬を過ぎて、暦の上では「冬」である。確かに寒くなった。我が千葉県北西部地方の11月はとりわけ寒く、10月が結構暖かかっただけに、一気に冬が来た、って感じである。
冬になると、冬にピッタリというか、冬じゃないとしっくり来ないジャズが聴きたくなる。このところ、ボブ・ジェームスの『H』(写真左)を聴く機会が増えた。このアルバムは、ボブ・ジェームス8枚目のアルバム。「H」はアルファベットの8番目。ジャケット写真のホットドックの頭文字は「H」。そして、ジャケットを90度回転させると、つまり、ホットドックを縦から見ると「H」の文字のようにも見える。いつもながら、なかなか洒落たジャケットである(笑)。
さて、何故、冬になると、このアルバムが聴きたくなるのだろう。恐らく、1曲目の「Snowbird Fantasy」の存在がそうさせるのだと思う。Snowbirdとは、snow bunting = ユキホオジロという鳥とのこと。ユキホオジロとは、ユーラシア大陸から北アメリカの北極圏で繁殖し、冬季はユーラシア大陸の中緯度地帯と北アメリカ中部に渡り越冬する、ホオジロの仲間とのこと(Wikipediaより)。
最初鳥のさえずりから始まって、ややクラシカルなアレンジは、ちょっと野暮ったい感じがするんですが、聴き進めていくうちに、野暮ったい感じからスリリングな雰囲気に展開し、躍動感溢れる演奏に盛り上がっていくところは、アレンジャーとしてのボブ・ジェームスの面目躍如。
この「Snowbird Fantasy」を聴きたくなるのは、決まって「冬」に入ってから。やはり題名と曲の雰囲気が、この「Snowbird Fantasy」を聴くのは「冬」と決めつけるのだと思いますね(笑)。実際、冬に聴く、このアルバム『H』は季節感にフィットしていて実に良い感じ。逆に、夏に聴く『H』は、蒸し暑い環境とのギャップが激しくて、夏にはこの『H』を聴く雰囲気には決してなりません(笑)。
この『H』というアルバム、そのキャッチャーな1曲目「Snowbird Fantasy」ばかりがクローズアップされているみたいですが、2曲以降の演奏こそが、ボブ・ジェームスの成熟したフュージョン、ボブ・ジェームスの成熟したアレンジ&プロデュースの成果だと感じます。というか、成熟しきっているかも...。
ボブ・ジェームスのキーボーディストとしての力量も存分に楽しめます。特に、この『H』は結構、アコースティック寄りで、ボブ・ジェームスのフュージョン・ピアノが満載です。もともと、ジャズ・ピアニスト、しかもかなりアブストラクトなジャズ・ピアノを弾いていたボブ・ジェームスが、ここまで、メロディアスで堅実なタッチのインプロビゼーションを展開するとは、いやはや、人って変われば変わるもんですね(笑)。
しかも、ピアノを弾きまくる傍らで、しっかりと、十八番のエレクトリック系の鍵盤楽器もしっかりと弾きこなしており、特に、このアルバムでは、シンセサイザーの使い方が見事だと思います。先行する誰かの演奏をベースにすること無く、個性をしっかりと全面に押し出した、ボブ・ジェームス流のシンセサイザーの使い方になっているところが素晴らしい。
ボブ・ジェームスの『H』。良いアルバムだと思います。先に書きましたが、「冬に楽しむフュージョン」の佳作アルバムの中の1枚だと思います。冬にピッタリというか、冬じゃないとしっくり来ないフュージョン・アルバムの一枚でしょう。今の季節から春まで、気軽にフュージョンでも、という時にぴったりのアルバムです。
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