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2009年11月10日 (火曜日)

ずっと注目しているピアニスト

先週前半の寒さが嘘のような、このところの暖かさ。立冬を過ぎたんだが、ちと暖か過ぎやせんか。小春日和というには、季節的に暖かすぎて、ちょっと風情の無い日々が続いている。

小春日に 欠伸する猫 昼下がり

さて、デビューアルバムで驚愕して以来、ずっと注目しているジャズ・ピアニストがいる。その名は、ゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba)。キューバからやってきた超越技巧なジャズ・ピアニスト。チャーリー・へイデンやディジー・ガレスピーに見出され、1989年、スイスのモントルー・ジャズ祭に出演、その驚愕な演奏で一躍メジャーへ進出した。

そのスイスのモントルー・ジャズ祭でのライブアルバム『Discovery: Live at Montreux』(写真左)を聴いた時、それはそれは「ビックリした」というか「驚愕」である(笑)。ちなみに、パーソネルは、Gonzalo Rubalcaba (p), Charlie Haden (b), Paul Motian (ds)。ベースとドラムにトップ・ミュージシャンを従えて、それはそれは颯爽たるデビューである。

冒頭の「Well, You Needn't」を聴いて「うへ〜っ」。超絶技巧、光速パッセージ。ガンガン飛ばす飛ばす。あのセロニアス・モンクの複雑で異常な捻れのある「難曲」を、である。しかも、モンク曲の特徴を、そこはかとなく匂わしながら、光速のパッセージである。今の耳で聴いても、これは凄い。良い意味で「ハイレベル」。良い意味で「超絶技巧」。
 

G_ruba_live_montreux

 
これだけ「超絶技巧」だと気持ちが良い。スカッとする。光速パッセージの嵐でも、崩れることがほとんど無い。このアルバムはライブ盤。一発勝負の中で、このテクニックは凄いの一言。しかも、彼のテクニックは「アクロバティック」では無い。「アーティスティック」である。

ソロピアノの3曲目「Prologo Comienzo」を聴くと、ゴンサロの素性が良く判る。超絶技巧ではあるが、リリカルでメロディアス、そこはかとなくアーシーでワールドミュージック的な雰囲気が漂い、アプローチは意外と直線的。回りくどいことは無く、判りやすい光速のパッセージ。そう、超絶技巧な「キース・ジャレット」のような感じ。

ラストの「All the Things You Are」も聴き応え十分。高速デジタルのようなパッセージの嵐。当時、まだ27歳。若さと体力にまかせて「カッ飛んでいる」ところはあるが、それでも、このテクニックは素晴らしいの一言。でも、ただ若さと体力にまかせて「カッ飛んでいる」だけでは無い。しっかりと歌心を押さえているところが「ニクイ」。

この『Discovery: Live at Montreux』を聴いて、「こいつ、やるなあ」と嬉しくなった。超絶技巧、リリカルでメロディアス、そこはかとなくアーシーでワールドミュージック的な雰囲気が、実に気に入った。この若きピアニストをずっと追いかけていこう、と思った。来日公演にも足を運んだ。今でも、ゴンサロ・ルバルカバは、僕が「ずっと注目しているピアニスト」である。
 
 
 
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