« Magical Mystery Tour は互角 | トップページ | ずっと注目しているピアニスト »

2009年11月 9日 (月曜日)

エバンスに一番似合う曲って...

なんだか暖かい一日。先週のあの冷え冷えとした日々はどこへやら、冬のスーツを着ていると、ちょっと汗ばむような陽気である。立冬とは名ばかりの、1ヶ月ほど季節が逆戻りした感がある。

立冬も 名ばかりだけの 陽向かな

ビル・エバンスのリバーサイド時代は名盤揃いである。スコット・ラファロとの4部作ばかりがクローズアップされているので、残りのアルバムは、あまり注目されることはないので困るのだが、これがなかなかの内容のアルバムばかりなのである。聴かずにおいては罰が当たる(笑)。

そんな中でも、ビル・エバンスの後の愛奏曲がタイトルになっている『How My Heart Sings !』(写真左)は大のお勧め。パーソネルは、Bill Evans (p) Chuck Israels (b) Paul Motian (ds)。1962年5〜6月の録音である。ベースが、Chuck Israelsだからといって侮ってはいけない。Scott LaFaroと違って、地味ではあるが、落ち着いた品のあるベースは、また違った味わいがあって良い。

その代表的名演が、タイトル曲の「How My Heart Sings !」。前奏無しに、いきなり「ポロロ〜ン、ロロン」と始まるピアノの旋律は実に愛らしい。愛らしくリリカル、そしてメロディアス。エバンスのピアノにピッタリのスタンダードである。Chuck Israelsのベースも気品に溢れ、Paul Motianのドラミングは繊細で小粋。あ〜、この1曲だけでも、このアルバムをゲットする甲斐があるってもんだ。

How_my_heart

2曲目の「I Should Care」のリズミックなトリオ演奏もなかなかの味わい。Scott LaFaroがベースだった、3者3様の対等なインプロビゼーションも良いが、Chuck Israelsに代わっての、しっかりと統制の取れた、ハードバップ的なピアノトリオも味わいがあるってもんだ。3曲目の「In Your Own Sweet Way」も絶品。大向こうを張った仕掛けは全く無いが、着実に堅実に、統制の取れた、ハードバップ的なピアノトリオ演奏は、実に味わい深いものである。

唯一、有名なスタンダード「Summertime」は、エバンスの感性に合わなかったらしく、ちょっとギクシャクした演奏で、不完全燃焼状態なのは「ご愛嬌」。独特の「ねばり」というか、「Summertime」の曲が持つ独特の「あく」のようなものが、エバンスの洗練された演奏によって、抜けてしまってるんですね(笑)。

改めて思うのは、タイトル曲「How My Heart Sings!」、この曲ほど、エバンスに似合う曲も珍しい。エバンスのピアノの為に書かれた、特製のスタンダード曲のようです。エバンスに洗練されても洗練されても、「How My Heart Sings!」の曲が持つ旋律の美しさは更に輝きを増す。そんな感じが実に印象的です。

良いアルバムです。スコット・ラファロとの4部作を聴いて、エバンスに興味を持ったなら、この『How My Heart Sings !』はお勧めです。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

« Magical Mystery Tour は互角 | トップページ | ずっと注目しているピアニスト »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: エバンスに一番似合う曲って...:

« Magical Mystery Tour は互角 | トップページ | ずっと注目しているピアニスト »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、 ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 青春のかけら達(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでのジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で、不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。         
2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

カテゴリー