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2009年11月18日 (水曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・4

朝は少し愚図ついた小雨が残って、朝の通勤は傘をさしての通勤。とにかく雨が嫌いな性格なので、朝から機嫌が良くない。昼前、気がつくと打って変わって、眩しいほどの晴天が広がっている。う〜ん、これってなんだか会社の中で働いている場合じゃないよな(笑)。

木枯らしに 煽られ吹かれ 千鳥足

さて、今日は「ピアノ・トリオの代表的名盤」の第4弾。今日は、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)の『Overseas』(写真左)。フラナガンの代表作の一枚。ピアノ・トリオの名盤誉れ高いアルバムです。

トミー・フラナガンがジャズピアニストとしてプレイするようになって10年目に録音した初リーダーアルバム。1957年8月15日の録音です。パーソネルは、Tommy Flanagan (p), Elvin Jones (ds), Wilbur Little (b)。なかなかに実力のあるドラムとベースを従えてのトリオ録音。

このアルバム、1957年当時在籍していたJ.J.Johnsonのクインテットの一員としてヨーロッパ・ツアーをした時、そのリズムセクション3人がストックホルムで吹き込んだアルバムです。旅先という環境面での新鮮さとピアノ・トリオという、ピアノがメインの編成からだろうか、いつになく、フラナガンが伸び伸びと自由に演奏している様子が印象的である。

前にも書いたが、フラナガンは、ジャズ・ピアノの名手の一人でありながら、なぜがリーダー作に恵まれず、脇役の名手、脇役名盤請負人などと変なレッテルを貼られていた。トミー・フラナガンは「伴奏でこそ、その真価を発揮する」なんて、お門違いな評価をされていたりするが「とんでもない」。

フラナガンのピアノは、優雅でハッキリとしたタッチで、ドライブと歌心溢れ、近代的な響きと、そこはかとなくファンキー芳るもの。アグレッシブで刺激的なフラナガン。もともと、バップ・ピアニスト出身、これが彼の本質でしょう。決して力任せではない、抑制されたドライブ感が素晴らしい。これぞ、職人芸ですね。
 

Overseas_6

 
そんなフラナガンが、寛ぎながら自由に好きなだけ、自分の本質を露わにしながら、バンバンとピアノをドライブさせている。トミー・フラナガンは、純正バップ・ピアニスト。しかも、彼の演奏技術は非常に高く、伴奏時には、それぞれのソロイストに合わせて、そのソロイストを引き立てるような弾き方、音色でサポートすることができる。ここでのフラナガンは彼が主役。好きなだけ、バンバン弾き倒しているところが凄い。

そして、エルヴィンのドラミングが、バッシバッシと絡む。アルバムを通して、エルヴィンはブラシのみを使ってドラミングしているんだが、ブラシのみにして、この迫力ある、かつダイナミックなドラミングにも脱帽である。フラナガンと絡む時の、絶妙なバランス・間・タイミング。フラナガンとエルヴィンの相性は抜群である。

ウィルバー・リトルのベースの侮れない。重心の低いベース、堅実なビートの供給。しっかりとトリオのボトムを押さえて、その上で、フラナガンとエルヴィンが自由にバンバン弾きまくる、叩きまくる。これだけ、フラナガンとエルヴィンが心ゆくまで演奏出来たのは、ウィルバー・リトルのベースの貢献が大きいと僕は思っている。

曲についてはフラナガンのオリジナルが多いので、スタンダードなど、お馴染みの旋律が少ないですが、フラナガンのオリジナルも結構イケます。リズミカルで疾走感溢れる曲が結構あるので、心ゆくまで、ハードバップ時代の代表的なピアノ・トリオの演奏を楽しむことができます。

良いアルバムです。ビリー・ストレイホーンの書いたバラード「Chelsea Bridge」などはじっくりと耳を傾けたくなる名演です。実にしみじみと聴き入ってしまいます。アルバム全編に渡って、切れ味鋭いシャープなリズム感と、小気味の良いタッチ、溢れる歌心。全体を通して、フラナガンの勢いある素晴しい演奏を聴くことができます。

ちなみに、このフラナガンの『Overseas』のジャケットですが、今、発売されているのは、左のフラナガンの横顔写真のもの。LP時代は右の「C」の文字をあしらった小粋なデザインでした。この「C」のジャケットデザインのCDは、US盤で入手することが出来ます。僕は圧倒的に「C」のデザインに愛着があります。
 
 
 
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