僕の大の「お気に入り」である
昨日から体調がすぐれない。風邪気味は風邪気味なんだが、今日は午後から夕方まで寝込む。どうも、この季節はいけない。高校時代から、この10月という季節はろくなことがない。それでも、ルーフバルコニーに出ると、金木犀の香りが「これでもか」と鼻を突く(笑)。
天晴れて 空一杯の 金木犀
さて、もうかれこれ1年半前になるが、僕の大の「お気に入り」ジャズ・ピアニスト、チック・コリア(Chick Corea)の「Five Trio Box」(写真左)がリリースされた。チック・コリアの「5 Trio シリーズ」の各アルバムを収めたボックス・セットである。単品発売の4作品に加え、アドリアン・フェロー(b)とリッチー・バーシェイ(ds)を迎えたスタジオ録音のDisc 5、更にシリーズ未発表を集めた特典盤も加えたチック・ファンならマストのアイテムである。
これが、まあ、その内容は「絶品」。ジャズ・ピアノ・トリオ、ここに極まれり、の感がある。ジャズ・ピアノ・トリオといえば、キース・ジャレットの「スタンダーズ」がある。ジャズ・ピアノ・トリオといえば、このキースの「スタンダーズ」がダントツだった。でも、今回、チック・マニアの僕としては溜飲がグッと下がった。今回のチックの「Five Trio」は、どの組合せも「スタンダーズ」と甲乙付けがたい出来である。
イントロダクションとして、シリーズ未発表を集めたボーナス盤から聴く。トリオの組合せは、
1〜2曲目: チック・コリア/エディ・ゴメス/アイアート・モレイラ
1. グロリアズ・ステップ
2. ユー・アー・エヴリシング
3曲目 : チック・コリア/ジョン・パテトゥッチ/アントニオ・サンチェス
3. 50パーセント・マンテカ
4〜6曲目: チック・コリア/クリスチャン・マクブライド/ジェフ・バラード
4. バド・パウエル
5. スペイン(イン・ザ・メイン)
6. スペイン(ドラムデンダム)
1枚のCDで「Five Trio」の美味しいところが、ガッツリと味わえるところがこのボーナス盤の良いところ。本チャンのアルバムに未収録の曲だから、ということで、本チャン収録の演奏より、ちょっと劣るのか、という心配は御無用。チック・マニアの方々であれば、このボーナス盤目当てに「Five Trio Box」を手に入れるべきだろう。
どの演奏も、チックの個性である、リリカルで、スパニッシュな風味が香る、翳りのあるロマンチシズム、そして、底に流れるファンキー&ブルージーな雰囲気がしっかりと出ていて、実に味わい深い演奏で一杯である。
そして、チックのピアノ・トリオの特徴として、電気系鍵盤楽器の導入が挙げれれる。チックと言えば、この電気系鍵盤楽器についてのテクニックが抜群なのだ。電気系鍵盤楽器に対する知識とその特徴を活かしたフレーズを繰り出すテクニック、共に、現在のジャズ界の中でダントツだろう。電気系鍵盤楽器をメインにした、ジャズ・トリオはありそうで、なかなか「無い」。これから、このチックの演奏が指針となるだろう。
さあ、これから、このチックの「Five Trio」の一枚一枚をご紹介していきたい。この「Five Trio」は、チックのピアノ・トリオの、現時点での最高傑作だと思う。意外と、過去のピアノ・トリオの名作を抜くことの出来ないベテラン・ピアニストが多々存在する中で、チックは、いともたやすく、過去の名作を超えてしまっている。
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