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2009年10月15日 (木曜日)

絶品『Boston Three Party』

中学時代、岡山に住んでいたことがある。中学から歩いて数十分のところに、かの有名な庭園「後楽園」がある。そして、その先に岡山城、別名「烏城(うじょう)」がある。全体の色合いが「黒」。その様子が「烏」をイメージさせるので、その別名がある。

中学時代、土曜日の放課後、よく友達とその「後楽園」と「烏城」に遊びに行った。特に、秋の後楽園、烏城は、それはそれは素晴らしい風景。紅葉、枯葉。特に、夕暮れ時の枯葉は、そこはかとなく「寂しさ」が漂い、実に風情があって良い。

夕暮れの 烏城の辺 枯葉舞う

さて、今日もチック・コリア(Chick Corea)の「Five Trio Box」の中のアルバムから。第4弾の『The Boston Three Party』(写真左)である。マサチューセッツ州ボストンのバークリー・パフォーマンス・センターにおけるライブ盤。邦題は「ワルツ・フォー・デビイ~ビル・エヴァンスに捧ぐ」であるが、これは中身と全く違ったイメージで、簡単に言うと「違法表示」である。このアルバムの目玉は、ドラム&パーカッション担当のAirto Moreira(アイアート・モレイラ)の参加にあります。

改めて、このトリオのメンバーを見ると、いやいや〜、そそられます。Chick Corea(p), Eddie Gomez(b), Airto Moreira(ds,per,voice)。アイアート・モレイラがチックのバンドでドラムを叩くなんてRTF時代の「Light as a Feather(72年)」以来ではないだろうか。

RTF時代の初期を彷彿させる。そして、ステディで太くバネのあるベースが身上のエディ・ゴメス。チックは、意外とゴメスのベースと相性が良い。ゴメスのベースをバックにすると、チックは自由奔放に、気持ち良くピアノを弾きまくることが多い。
 

Boston_three_party

 
収録曲も、アイアートがドラムということで、スパニッシュな曲やボサノバな曲が採用されている。が、そんな中で「Waltz for Debby」の選曲は「???」(でも演奏内容は良いんですよ)。でも、RTF時代の「500 Miles High」や「Sometime Ago〜La Fiesta」、そして「Desafinado」なんて、期待度満点ではないか。しかも、ベースには、ガッチリとビートを固めてくれるゴメスがいる。曲のロマンチシズムとスピードに全体が流されることは無い。

チックは相変わらず、「Five Trio Box」の全体的傾向でもあるが、自由奔放なピアノを繰り広げる。有名な「Sometime Ago〜La Fiesta」や「Desafinado」も結構な形で「解体〜再構築」されている。しかも、アイアートの野趣溢れる、パーカッシブで躍動感溢れるパーカッションがそうさせるのだろう、チックは、他のアルバムと比べて、ずいぶんリラックスしつつ、楽しみながら弾いている。時には、羽目を外しすぎているのも「ご愛嬌」(笑)。

ライブ盤の良さが、このアルバム全編に溢れている。弦を叩くようなパーカッシブなパフォーマンス、ブンブン弾けるようなウォーキング、このアルバムでのゴメスのベースは躍動感が溢れている。そして、アイアートのドラム。ラテンタッチなドラミングが、圧倒的な躍動感をもって迫ってくる。アイアートのボイスによるパフォーマンスもライブ盤ならではの楽しみ。

そんなアグレッシブなリズム・セクションを従えてのチックのピアノ&キーボードである。チックが燃えないはずがない。リズム・セクションをたてつつ、リズム・セクションに気持ち良く乗っかる感じで、弾きまくる、弾きまくる。特に、シンセサイザーの弾きまくりが絶品である。本当に、チックは電子鍵盤楽器の扱いが上手い。というか、天才的である。これだけ、電子鍵盤楽器を理解し、直感的に本質を掴んだ演奏は類を見ない。

僕としては、やはりRTF時代の名曲「500 Miles High」と「Sometime Ago〜La Fiesta」が圧巻。何度、聴いても飽きない。「La Fiesta」は有名なロマンチックな旋律が、完璧にデフォルメされているが、これはこれで、ファンとしては堪らない。この『The Boston Three Party』は、チック・マニアにとっては外せない、最近のチックのアルバムの「マスト・アイテムの一枚」だと思います。
 
 
 
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