ピアノ・トリオの代表的名盤・2
さて、ピアノ・トリオの代表的名盤の第2弾。第1弾は、ビル・エヴァンスの『エクスプロレーション』(10月17日のブログ参照・左をクリック)。第2弾は、Oscar Peterson(オスカー・ピーターソン)の『Night Train』(写真左)を、ピアノ・トリオの代表的名盤としてご紹介したい。
オスカー・ピーターソンのジャズ者初心者向け、ピアノ・トリオの代表的名盤として良く紹介されるのが『We Get Requests』。でも、僕は、この『We Get Requests』は、スタンダード曲とボサ・ノヴァをバランス良く収録している名盤なのだが、スタンダード曲とボサ・ノヴァは、ピアノ・トリオとしても、アレンジするには、かなりの力量と経験を要する。この『We Get Requests』は、実は奥深い。かなりの高度な技術がギッシリ。テンションもしっかり高く、ジャズ者初心者には、ちょっとしんどい。
僕は、オスカー・ピーターソンのジャズ者初心者向け、ピアノ・トリオの代表的名盤としては『Night Train』を一押しにしている。このアルバムは、とにかく聴いていて楽しい。ジャズを楽しく聴いて、楽しくジャズを感じて、最後にジャズの感動して終わる。これって、ジャズ者初心者にとって大切な、最適な雰囲気だと僕は思う。
冒頭「Happy-Go-Lucky Local (aka Night Train)」から始まる。ジャケット写真の様な、夜行列車が大陸を悠々と走り抜けていくような、悠然とした演奏。ついついリズムを取りつつ足が動く。ジャズのビートを感じる。次の「C-Jam Blues」も楽しい。シンプルなメジャーコードCのブルース。シンプルなだけに実に判りやすいブルース。
3曲目の「Georgia on My Mind」は、邦題「我が心のジョージア」。米国ジョージア州の州歌。レイ・チャールズの歌唱で有名。テレビのコマーシャルのBGMでも度々採用されているので、恐らく、そのユッタリとした、ソウルフルで印象的な旋律を聴けば「ああ、あの曲かあ」と思い出す人が多いと思います。その後も、楽しく聴けるピアノ・トリオが出てくる出てくる(笑)。
で、ラストの「Hymn to Freedom(自由への讃歌)」。アフリカ系アメリカ人公民権運動の応援歌。ピーターソンのオリジナル。感動の名曲である。緩やかに囁くように弾き出すピーターソンのピアノ、そして、徐々にベース、ドラムと共に盛り上がっていく。そして、最後は大団円。この曲は言葉では言い表せ無い。聴けば判る。というか、一度は聴いて欲しい、ジャズの名曲である。
I say to you today, my friends so even though
we face the difficulties of today and tomorrow,
I still have a dream. It is a dream deeply rooted
in the American dream. ・・・・・
Oscar Peterson (p) Ray Brown (b) Ed Thigpen (ds) という、1959年以来の不動メンバーで、1962年12月にレコーディングされた、オスカー・ピーターソン・トリオの傑作の一枚。このアルバムを、僕は、ピアノ・トリオの代表的名盤の第2弾として、ジャズ者初心者の方々にお勧めしたい。
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