« ジャズ喫茶で流したい・8 | トップページ | 『ジャズの小径』9月号アップです »

2009年9月22日 (火曜日)

『with the beatles』モノラル万歳!

本当に涼しくなった、我が千葉県北西部地方。日中、日差しが強くて(今日は一日曇りだったのでは)、ちょっと汗ばむ感じだったが、夕方以降、涼しい風が吹いて、賑やかな虫の声。秋である。もう夏日よさようなら、って感じかなあ。

さて、今回、9月9日発売なった、Beatlesのリマスター盤を聴き進めている。やはり、モノラル盤は侮りがたい。というか凄い。Beatlesはモノラル盤を聴くべし、という話があったが、今回、至極納得である。今回の話題は『with the beatles』(写真左)。Beatlesの2枚目のオリジナル盤である。モノクロのジャケットがとにかく「格好良い」。高校時代、このジャケット・デザインだけは感心した。

でも、悲しいかな、高校時代に聴いた『with the beatles』はステレオ盤。右のチャンネルにボーカルが寄って、左に、基本的にオーバーダビングされた楽器音が鳴り響く。ボーカルがセンターに来ないのが、どうしても、違和感だらけで、どうしても馴染めず、聴き込むには至らなかった。

で、今回のThe Beatles Mono Box Set の中の『with the beatles』である。これが、素晴らしい音である。モノラル録音の肝である「音の融合」を存分に堪能できる逸品である。モノラル盤であれば、既発売の『with the beatles』はモノラルだったので、それと変わらないだろう、との向きもあるが、とんでも無い。今回の、モノラル・マスターからの最新のリマスターの効果抜群である。

ステレオは「音の分離、分散」、モノラルは「音の収斂、融合」という言葉があるが、その表現をもろに感じ取ることができる、しかも、今回のモノラル・リマスターは、従来のモノラルCDに比べて、格段に音の分離が良く、ノイズが自然な形で除去されている。

その音の分離の良さを実感できる曲が、僕の大好きな「All My Loving」。ポールの初期の大傑作だが、そのポールの、異常とも言える、素晴らしいベース・ラインが克明に判別できる。リンゴのドラミングもしっかりと分離され、リンゴのドラミングこそが、Beatlesらしさを演出する鍵である、ということが良く判る。そして、あのジョンの究極リズム・ギター「8連符」。これも良く分離されて、とても心地良く響く。

With_the_beatles

モノラルは「音の収斂、融合」と良いながら、音の分離が良い、というのは、なんだか相反することを言っているようなんだが、このモノラルでありながらの「音の分離の良さ」が、今回のモノラル・リマスターの肝の部分のような気がする。

「音の収斂、融合」を地で行く、音の立方体の塊が耳に飛び込んでくる様な迫力。冒頭のオリジナル3連発、「It Won't Be Long」〜「All I've Got to Do」〜「All My Loving」で、もうメロメロ。ボーカルが真ん中にいて、楽器の音の重なりが、効果的に配置され、それが「音の塊」になって耳に飛び込む。いや〜生きていて良かったと思う瞬間でした(笑)。

そのモノラルの、ボーカルが真ん中にいて、楽器の音の重なりが、効果的に配置され、それが「音の塊」になって耳に飛び込む、という感触を一番感じることができるのが、R&Bの楽曲のカバー演奏である。

とりわけ「Please Mister Postman」の迫力といったら、もう太っとい音の塊。ジョンのボーカルの根太さ、ポールとジョージのコーラスの心地よさ。そして、リンゴのドラミングを中心とした、Beatlesの伴奏の「ド迫力」。このアルバムでのモノラル録音の良さは、カバー曲で更に堪能できる。「Till There Was You」「Roll Over Beethoven」「You Really Got a Hold on Me」「Devil in Her Heart」「Money」、特に「Money」も「Please Mister Postman」の負けず劣らずの大迫力である。

ジョージの初のオリジナル収録「Don't Bother Me」、リンゴの初のボーカルナンバー「I Wanna Be Your Man」も、ステレオ盤ではちょっとスカスカな感じがするんだが、モノラル盤では、モノラル・ミックスの効果で、演奏の音の密度が濃くなり、十分に迫力ある演奏になって、結構、聴き応えのあるものになっているのが面白い。
 
デビューアルバムの『Please Please Me』『with the beatles』は、2チャンネル・トラックの録音だったので、ステレオ盤については、右チャンネルにボーカルを寄せざるを得なかった。当時の主流はモノラル。ステレオ盤対モノラル盤については、モノラル盤に軍配を上げざるを得ない。特に、今回のThe Beatles Mono Box Set の中のモノラル盤が凄い。既発売のモノラルCDとは音の次元が違う。
    
    
    
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 

« ジャズ喫茶で流したい・8 | トップページ | 『ジャズの小径』9月号アップです »

コメント

だから・・・

モノラル版の話題はあかんってぇぇ!
いいなぁ、いいなぁ、聞きたいなぁ・・・
うん、お金貯めよう。

でもお金、貯まらへん(;;)

ひとみちゃん、いらっしゃい。松和のマスターです。

今回リマスターのモノラル盤は本当に良いです。87年に初CD化された
「Please Please Me」「with the beatles」「A Hard Day's Night」
そして「Beatles for Sale」はモノラルでリリースされました。が、
今回のリマスター・モノラル盤は「音の次元」が違います。

でも、モノラル・ボックス盤の初回限定分は完売となったようです。しかし、
コレクターとしてはちょっと複雑な心境ですが、なんとか、再発されないもの
でしょうか。加えて、単品でもリリースされるべきものだと思います。
それほど、今回のリマスター・モノラル盤はマスト・アイテムだと思います。
 
「A Hard Day's Night」以降は、今回、リマスターされた初出のステレオ盤も
良い出来だとは思うんですが、やっぱり、Beatlesは、モノラル盤が出ている
ものは、モノラル盤に軍配が上がると思います。
 
 

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『with the beatles』モノラル万歳!:

« ジャズ喫茶で流したい・8 | トップページ | 『ジャズの小径』9月号アップです »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー