これは良い、米国限定だけど
この16日〜18日まで、急遽、札幌に出張してきました。今年9月の東京はとても涼しく、気温は札幌とほとんど変わらず、札幌に行って涼しさを感じることはありませんでしたが、やっぱり湿気が少ないですね。気候の良さは相変わらずでした。
しかし、往きも復りも、シルバーウィークも近いということで、北海道旅行の団体ツアーと、飛行機で一緒になったんですが、60歳代〜70歳代のおじいさん、おばあさん達のマナーの悪さ、なんとかならないでしょうか。旅行で興奮状態なのは判るのですが、だからと言って、常識を外れた振る舞いが許される、ってことは無いでしょう。とにかく不愉快でした。
閑話休題。ジャズの話題を。2009年5月31日のブログで『セントルイス・ブルース』をご紹介した、若手女性オルガニスト、敦賀明子。彼女の米国発売の最新作『Oriental Express』(写真左)が、最近、へビー・ローテーションになっています。実に良い感じのオルガン・ジャズなんですね〜、これが。
敦賀明子は兵庫県尼崎市出身。大阪音楽大学卒業後,関西一円で活動し、その後、活動の拠点をニューヨークへ。2004年5月に『ハーレム・ドリームズ』(2008年5月13日のブログ参照)でデビュー。自己のグループ、またホーンプレイヤーやボーカリストのサイドメンとして、アメリカで注目株のオルガン奏者である。現在、愛車にポータブルオルガンを積み込み、演奏の依頼があればどこまでも・・・という生活をしている。とのこと。ニックネームはtsurulin(つるりん)。
『セントルイス・ブルース』を聴いた時に、なんとなく固く、こぢんまりとまとまってしまっていて、オルガン・ジャズ独特のノリ、グルーヴ感が削がれている内容が気になって、彼女の行く末を、ちょっと心配していた訳だが、最新作の『Oriental Express』を聴いて安心した。どうも『セントルイス・ブルース』の「課題」はプロデュース側の問題だったようだ。
1曲目の「J's Groove」からノリノリである。ブワーッとグワーッとわき上がるように盛り上がるオルガンの音。うんうん、ジャズのハモンド・オルガンはこうでなければ。敦賀明子のオルガン、絶好調である。このノリ、ファンキーさを聴いて、『セントルイス・ブルース』を聴いた時の不安が氷解して、ホッと安心。
パーソネルは、Akiko Tsuruga (org), Eric Johnson(g), Rudy Petschauer(ds), Jerry Weldon (ts), Wilson "Chembo" Corniel (Per)。特に、パーカッション Wilson "Chembo" Corniel の参入が、ファンキーさ、ノリの良さに拍車をかける。Jerry Weldonのテナーもオルガンとの相性が良い。特に、パーカッションが参入した曲のノリが抜群。感心したのは、コンガなど、パーカションが入ると、演奏が「下品」になったりするんだが、ここでは実に趣味の良いパーカッションの味わいである。
そして、大盛り上がりに盛り上がって、7曲目の「Killing Me Softly with His Song」で最高潮を迎える。これだけ、大盛り上がりでファンキーなオルガン・ジャズ。久しぶりに聴いた。良い。絶好調。オルガン・ジャズはこうでなければならない(笑)。
良いオルガン・ジャズです。敦賀明子のジャズ・オルガンのスタイルも安定してきて、この『Oriental Express』は安心して聴くことができる。決して過剰にならないファンキーさと決して下品にならないノリ。この敦賀明子のオルガン・ジャズ。なかなかの内容です。もう次作が楽しみになってきました。彼女のライブも一度聴いて見たいなあ。
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