Beatles 来た! 来た! 来た〜!・2
今回のBeatlesのステレオ盤・最新リマスターの発売はセンセーショナルではあるが、マニア的には『The Beatles In Mono』(写真)の初CD化の方が「狂喜乱舞」状態である。
この『The Beatles In Mono』は、ビートルズが公式発表した全オリジナル・モノラル録音185曲を最新のデジタル・サウンドで聴かせてくれる「限定版ボックスセット」である。ビートルズの場合、このモノラル盤が貴重であり基本。
ビートルズの活動時期は1960年代。当時の一般での音楽再生装置はモノラルが前提。ステレオはまだまだ一般的では無く、録音方式・ノウハウも成熟していなかった。当然、アルバム収録の曲は、モノラルで聴かれることを前提に録音され、編集されていた。つまり、モノラル盤が最優先、ステレオ盤はオマケ的な位置付けだった。
よって、ビートルズがミックスダウンからリマスターまで関与し、ビートルズとして、その内容を了解していたのは、このモノラル盤になる。このモノラル盤が、モノラル・マスターが存在するオリジナル盤全て、待望のボックスCD化である。これを買わずして、何がマニアか(笑)。
早速、大好きな『Rubber Soul』、そしてモノラル盤での音に興味津々の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を聴いてみたが、これがやはり素晴らしい。ステレオ音源を聴き慣れた耳には、音の横の拡がりではステレオ盤に劣るものの、音の奥行きの拡がりと音の太さ、楽器の音の自然さは、モノラル盤の方が心地良い。
モノラル再生については、今回、改めて経験したが、ステレオ装置の左右のスピーカーの間に、スクエアな音空間が拡がって、そのスクエアな中に、前から奥に向かって音が重なっている感じ。音の奥行きが凄い。楽器の音が、人工的に分離された違和感が無く、密度の濃い、奥行きの拡がりにある音が塊になって、耳に飛び込んで来るような印象。
『Rubber Soul』は、やはりモノラル前提に録音されたアルバムなんやなあ、って改めて再認識。そして、今回、ビックリしたのが、『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のモノラル盤。これって、何。凄い迫力。音の分厚さ。人工的な、シャリシャリした、ちょっと耳障りな感じが全く無い。音の拡がりを楽しむ、楽器一つ一つの音を楽しむ向きには、ステレオ盤も捨て難いが、僕はこのモノラル盤が気に入った。
今回のCD化にあたり、サウンド・エンハンスをかけず、リミッターもかけずに、モノラル・マスターに忠実にリマスターしたとのこと。つまりは、1960年代のリアルタイムでのモノラル・マスターの音源が、そのままに近い形で聴けるということになる。これって、凄いことだと思う。素直に技術の進歩と今回の「限定版ボックスセット」としての発売を喜びたい。
今、『Help!』のモノラル盤が流れているが、やっぱり良いねえ。「涙の乗車券」なんて、音のエッジがまろやかで分厚く大迫力。ビートルズ初期のアルバムになればなるほど、モノラル盤の真価が発揮されるようだ。これは、とんでもない宝物を手にいたみたいです(笑)。
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こんばんは
相当 気に入られたようですね
自分も欲しいですが最近 ちと金欠
初期の曲が なぜ好きかと言うと やっぱりサビの作りが最高にカッコイイですよ
なんか哀愁を帯びたメロディが大好きなんです
投稿: ケン | 2009年9月13日 (日曜日) 23時23分
ケンさん、こんばんわ。松和のマスターです。
はい、かなり気に入りました(笑)。というか、モノラル・ボックスは
大満足です。やっと、Beatlesの真髄が理解できたような気がします。
確かに、Beatlesの楽曲には、ワイルドさと繊細さ、健康さと哀愁が同居
していると、僕も思います。やはり、英国の音ですね。
投稿: 松和のマスター | 2009年9月14日 (月曜日) 23時42分
こんにちは
初めて書き込みます、ゴマ油と申します。
中学時代にビートルズ派とベイシティローラーズ派と学年の女子が分かれていて、私は当然、ビートルズ派でした。
吹奏楽でデイトリッパーとか、演奏するのが好きでした。
リマスター版、気になりますが、たしかにお金がないので・・・しかし、レコードにはCDでは表せない音の奥行きがあるって聞いたことあるのですが、それは、解消されているのでしょうか。
音がクリアなのと、奥行き・・・微妙にニュアンスが違うかな・・・?
でも、聴いてみたいですね。
ちなみにジャズも好きです。ラテン系が。
投稿: ゴマ油 | 2009年9月16日 (水曜日) 09時44分
初めまして、ゴマ油さん。松和のマスターです。
離京していて、レスが遅れました m(_ _)m。
「レコードにはCDでは表せない音の奥行きがある」については、残念ながら、
LPとCDのサポート周波数帯の範囲のスペックの問題なので、これはCDの
スペック上、自然な形で、LPを上回ることは無いと思います。
逆に、CDとして、今回のリマスターは最高の音を供給してくれている、と
思います。とにかく、まろやかで刺々しさの無い、非常にクリアな音です。
奥行きに関しても、CDというフォーマットの中では、実に良く表現されて
いると思います。ステレオ装置の環境の問題もあるんですが、今回の
Beatles のリマスターは評価出来ると思います。
投稿: 松和のマスター | 2009年9月19日 (土曜日) 18時18分