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2009年9月26日 (土曜日)

A Hard Day's Night stereo盤健闘

Beatles の『A Hard Day's Night』(写真左)。ビートルズ・ファンであれば誰もが知っている「うんちく」をちょっと述べると、アルバムと同名のビートルズ初主演映画のサントラ盤として、64年7月にリリースされたサードアルバム。全曲レノン=マッカートニーのオリジナルで構成された唯一のアルバム。

しかし、思うんだが、邦題の『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』はなんとかならんだろうか。もう、そんな時代では無いし、その時代の人達以外は実感に乏しい邦題だと思うんだけど・・・。

冒頭の「Hard Day's Night」〜「I Should Have Known Better」〜「If I Fell」は、何度聴いても良い。特に「If I Fell」は秀逸。ジョンのメイン・ボーカルとコーラスが中央に集まりつつ、前から奥に重なるような響きは何度聴いても快感。モノラル録音ならではの音の雰囲気だろう。しかし、なんといっても、ジョンの声が素晴らしい。ジョンの声は、絶対にモノラル向け。力強くて柔らかで滑らかでセクシー。

「Tell Me Why」は出だしのコーラスからオープンマインド的展開、このポジティヴな雰囲気が実に良い。アップテンポでコーラス前提な曲では、モノラル録音の特性が実に良い方向に作用している。

「Any Time at All」の音の固まりが、左右のスピーカーの間から「ぶっ飛んでくる」ような迫力、「When I Get You Home」の出だしのコーラスの太さとその後に出てくるジョンのボーカルの力強さ、「You Can't Do That」の摩訶不思議なコード進行と音の響き、「こりゃ〜、たまらん」と満足の一言。聴けば判る。

Haed_days_night_19

モノラル録音の特性だろうか、アップテンポでリズミックな曲ほど、コーラスが主体の曲ほど、音楽としてのエネルギーと力強さを感じる。コーラスも中央に集まりつつ、前から奥に重なるような響きは快感。加えて、モノラルの方が、丁寧にリミックスされているというか、音の輪郭が滑らかで、実に「アナログ的」である。

しかしながら『A Hard Day's Night』から、4トラックの録音機材が導入されたので、ステレオ盤もやっとメイン・ボーカルが真ん中に位置するようになり、音の定位的な違和感は無くなっている。よって、ステレオ盤もやっと聴ける状態になったということ。

今回のステレオ盤はリマスターが素晴らしく、十分、ステレオ盤も良い感じで聴ける。まず、デジタル臭さが極力排除されており、ノイズが良い感じで除かれている感じが素晴らしい。言い換えると、実に「アナログ的」な音になっている、って表現にでもなろうか。

メイン・ボーカルが中央に定位した分、『A Hard Day's Night』は、ステレオ盤もなかなかいける。しかし、まだ、この時代、ステレオ再生を前提とした録音手法を取っていない分、4トラックに分散録音された音を、(なんとか違和感が少なくなるようにではあるが)、無理矢理、左右のスピーカーに分離した、という感じはどうしても「つきまとう」。

まだまだ当時、モノラル盤が前提だったんで、ステレオ盤の不利は否めません。なんとか、良い感じに左右に分離された楽曲もあるが、分離したお陰で「すかすか」になった楽曲もあるという塩梅。でも、ステレオ録音に馴染んだ耳には、今回のステレオ盤はなかなか良いと思います。それほど、今回のステレオ盤のリマスターは優れています。

『A Hard Day's Night』のモノラル盤とステレオ盤を聴き比べると、なるほど、ステレオは「音の分離、分散」で、モノラルは「音の収斂、融合」だ、と言うことが実感できます。まだモノラル盤に軍配が上がってしまいますが、この『A Hard Day's Night』の、今回のステレオ盤もなかなかです。僕は両方、楽しんでいます。
 
 
 
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