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2009年8月20日 (木曜日)

ジョンスコの「真面目」な一枚

タイトルをご覧になって、ジョンスコは日頃は不真面目と言いたいのか、とお思いになったらそれは誤解です(笑)。不真面目どころか、ジョン・スコフィールド(愛称ジョンスコ)のギターは実にユニークであり続けている。

伝統的なジャズ・ギターの奏法をベースにしながらも、ちょっとアバンギャルドにねじれて、音を不協和音っぽく響かせながら、モーダルに唄い上げていくところが実にユニーク。一聴するだけで「ジョンスコや〜」って判るくらい、独特の個性ある音の持ち主である。

ユニークであるからといって、伝統的な純ジャズと外れたところにジョンスコのジャズがあるのか、と言えばそうではなく、しっかりと純ジャズのベースの上に、そのユニークなギターを響かせているところが、これまた、ジョンスコの魅力である。

1970年代の彼のリーダー作を聴けば良く判る。例えば『Rough House』(写真左)であるが、実に真っ当で、当時、最先端で流行だったメインストリーム・ジャズをベースにしたユニークなギターを聴かせているのだ。

enyaレーベルから1978年にリリースされたこのアルバム、パーソネルは、John Scofield (g), Hal Galper (p), Stafford James (b), Adam Nussbaum (ds)。Hal Galperの参加が目を惹く。このアルバムの録音が1978年。既に、ジョンスコのギターの個性が確立されているのが良く判る。
 

Rough_house

 
ちょっと外れたようにねじれて、独特の不協和音っぽい音の響きとスルスルスルと滑るようにモーダルなフレーズを弾きまくっているのには惚れ惚れするばかり。まあ、まだ1978年。若かりし頃のジョンスコなんで、捻れ方は実に控えめではあるが・・・(笑)。

ピアノのHal Galperの、当時、メインストリーム・ジャズ・ピアノのリーダー格であった(今もそうだけど・・・)、ハービー・ハンコックとチック・コリアの手癖を足して2で割ったような、エッジの立ったモーダルな音の響きはご愛嬌。でも、かなりのテクニックと馬力で弾きたおしているのは結構な迫力である。

このHal Galperのピアノのおかげで、良くも悪くも、1970年代後半のメインストリーム・ジャズの空気を強く感じて、ちょっとレトロっぽく聴こえるのが面白い。 この明らかに、1970年代後半のトレンドを強く感じさせるピアノをバックに、ジョンスコがハードに「ちょっとだけ、ねじれたギター」を弾きたおしている。ジャズ・ギターにロックの要素を取り入れたアグレッシブでスリリングなもので、実に若々しいというか、実に「真面目」である(笑)。

技術というものは基本が肝心、というが、ジョンスコはさすが、きっちりと純ジャズとしての基本をしっかりと押さえている。その基本を押さえた上での「個性の輝き」。う〜ん、マイルスが自らのバンドにスカウトするのも無理は無い。というか、明らかにマイルスの慧眼を感じる。

この『Rough House』を聴くと、そんなジョンスコの素性の良さを感じます。ストレートアヘッドなジョンスコ。若いねえ。良い演奏です。ジョンスコの「基本に忠実である真面目さ」を十分に楽しめます。
 
 
 
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