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2009年8月23日 (日曜日)

晩夏のジャズ...「おもいでの夏」

朝夕、少し暑さが凌ぎやすくなり、夜になれば、涼しい風が吹くようになった。今年の夏も終わりに近づいている感じが「ひしひし」とする。いわゆる「晩夏」という季節になりつつあるということ。カレンダーを見れば、8月も20日を過ぎ、日が沈むのも早くなってきた。

この夏の終わりの季節って、学生の頃からあまり好きではない。なんだか、夏が終わっていく雰囲気が、なにか物悲しく、一人取り残されたような感じになる。夏の終わりの夕日を見ていても、なにか侘びしさが漂い、涼しい一陣の風に吹かれれば、なぜが心がキュッと音をたてるように、ノスタルジックな雰囲気に包まれる。

こんな晩夏ではあるが、それはそれで、ぴったりのジャズがある。激しくもあり、優しくもあり、叙情的ではあるが、真っ当な純ジャズ。夏の終わりの物寂しい雰囲気を感じて、センチメンタルになった心を癒しつつ、励ますような「硬派」な雰囲気を持ったジャズ・アルバムが良い。

そんなジャズ・アルバムの一枚が、Art Farmer(アート・ファーマー)の『The Summer Knows(おもいでの夏)』(写真左)である。1976年5月の録音。パーソネルは、Art Farmer (flh), Cedar Walton (p), Sam Jones (b), Billy Higgins (ds)。日本人制作のEAST WINDレーベルからのリリース。

1976年と言えば、フュージョン全盛時代。そんな中、EAST WINDレーベルは、日本人制作を前提に、純ジャズ中心に、優れたアルバムをリリースしていた。このEAST WINDレーベルに対しては、その功績を手放しで誉める人があれば、そのあからさまで向こう受けを狙った、いかにも、という選曲に失望する人もありで、日本人制作のレーベルとはいえ、日本では賛否両論のレーベルだったような記憶があります。
 

The_summer_knows

 
確かに、このアルバムも選曲を見渡せば、ちょっと、スタンダード中心、そのスタンダードもちょっと捻りを入れ、向こう受けを狙った選曲で、「うむむ〜」とちょっと唸ってしまいますが、このアルバムについては、どの曲も演奏内容が優れており、録音も良いので、これはこれで良いアルバムだと思います。

特に、1曲目のタイトル曲「The Summer Knows(おもいでの夏)」は、アート・ファーマーのフリューゲル・ホーンの柔らかな音が実にフィットしていて、素晴らしいバラード演奏になっています。アート・ファーマーのフリューゲル・ホーンのバラード演奏の中では白眉のもので、この1曲だけでも、このアルバムは「買い」ですね。

この「The Summer Knows(おもいでの夏)」の演奏が、夏の終わり、晩夏の季節に、実に合うんですね〜。リリカルなファーマーのフリューゲル・ホーンの音が優しく響き渡って、夏の終わりの「物寂しい」雰囲気にピッタリ。聴く時間帯は、夕方が良いですね。夏の終わりの夕日を見ながら、しみじみと聴く「The Summer Knows(おもいでの夏)」は絶品です。

続く「Manha do Carnaval(カーニバルの朝〜黒いオルフェ)」は、しっかりとした硬派な演奏で、グッと心が引き締まります。エッジの立った、切り込みの鋭いファーマーのフリューゲル・ホーン。フリューゲル・ホーンの音って、丸くて優しくて癒しの音って思っていたら大間違い。ここでのファーマーは、結構、ホットなブロウを繰り広げています。ミッドテンポのジャズ・ボッサではありますが、演奏内容は「硬派」な純ジャズです。聴いていて、思わず襟元を正してしまいますね(笑)。元気が出ます。

夏の終わりの物寂しい雰囲気を感じて、センチメンタルになった心を癒しつつ、励ますような「硬派」な雰囲気を持ったジャズのアルバム。そんなアルバムを聴いて、夏の疲れを癒し、明日への活力を蓄える。そのニーズにピッタリのアルバムの一枚が、このArt Farmer(アート・ファーマー)の『The Summer Knows(おもいでの夏)』。ジャケット・デザインもなかなかです。僕は紙ジャケで所有していますが、紙ジャケサイズも、なかなか可愛くお洒落で、気に入っています。 
 
 
 
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コメント

こんにちは
さきほど おもいでの夏/アート・ファーマー 注文いたしました


凄く楽しみです


ヽ(-д-)ノ

ケンさん、いらっしゃい。松和のマスターです。

ファーマーの『おもいでの夏』、ブログ本文にも書きましたが、日本の
レーベルのプロデュースなんで、真面目でカッチリした作りのアルバム
です。カッチリした分、米国ジャズ特有の、良い意味でのラフさはない
のですが、これはこれで聴きものです。ファーマーの切れ味ある
フリューゲル・ホーンも、これまた、なかなかの聴きものです。
 
「晩夏のジャズ」をお楽しみ下さい。
 
 

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