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2009年8月24日 (月曜日)

改めて天才ペット奏者を愛でる

涼しくなった。今朝は、上着を着て駅まで歩けるくらいの涼しさ。ちょっとだけ汗ばむが、湿度が低いので、気にならない。いやいや〜、秋の気配ですね〜。夕方日が暮れると、虫の声が賑やかに。いやいや〜、秋の気配ですね〜。我が千葉県北西部地方は、一気に秋の気配である。

秋の気配を確信すると、夏の間、ちょっと控え気味だった純ジャズが聴きたくなる。それもばりばりのハードバップ。ちょうど、スイング・ジャーナルの9月号に「Lee Morgan(リー・モーガン)」の特集。子供の頃から神童と呼ばれたハード・バップの代表的トランペッター。33歳で、愛人のヘレンに拳銃で撃たれて死亡した、悲劇のジャズ・トランペッター。

このスイング・ジャーナルのモーガンの記事を読んでいて、リー・モーガンのアルバムが聴きたくなった。選んだアルバムが『Introducing Lee Morgan』(写真左)。

ブルーノートからリリースされた、初録音にして初のリーダー作の『Lee Morgan Indeed !』。このアルバムが収録された翌日に、全く異なるメンバーで録音された、2枚目のリーダー・アルバムが、サヴォイからリリースされた『Introducing Lee Morgan』。パーソネルは、Lee Morgan (tp), Hank Mobley (ts), Hank Jones (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds) 。リーダー作第2弾としては、錚々たるバックを従えている。

それもそのはず。もともと、このアルバムは、テナーのハンク・モブレーのリーダー作として収録されたもの。リー・モーガンの天才的なトランペットが抜きんでていて、急遽、リー・モーガンのリーダーアルバム風にタイトルを冠してリリースされた「曰く付き」。

それほどまでに、当時のリー・モーガンのトランペットは凄い。当時、弱冠18歳で、これだけのトランペットが吹けるとは・・・。「ポスト・クリフォード・ブラウン」と評されたリー・モーガンの目眩くテクニックと歌心、そして、デビューしたての「初々しさ」が眩しい。
 

Intro_lee

冒頭の「Hank's Shout」を聴けば、モーガンの凄さが良く判る。録音当時は1956年とはいえ、演奏の雰囲気は「ビ・バップ」。メンバーそれぞれが、テクニックの全てを尽くしたアドリブの応酬。アルバム全編を通じて、モーガンの天才的なペットに触発されて、いつにかく、テナーのモブレーが溌剌とテナーを吹き上げている様子が微笑ましい。

まず、先頭を切ってソロを取るのは、テナーのモブレー。このアルバムはなるほど、モブレーのリーダーアルバムとして録音したことが理解できる。モブレーの長いソロの後、滑り出てくるように入ってくるのが、モーガンのペット。凄いテクニック。軽く歌うように、難しいフレーズを事も無げに吹き上げていく。

2曲目の「Nostalgia」も、まずは、テナーのモブレーがソロを取る。そして、次に出てくるミュートをかけたモーガンのペット。ミュート・プレイにも非凡なものがある。とにかく上手い。まだ弱冠18歳、とにかくテクニック優先、ペットを吹くことが楽しくて仕方がない雰囲気なので、歌心については、ちょっと物足らない部分も感じられるが、それは仕方の無いこと。その不足を補って余りある、モーガンのミュート・プレイのテクニックの素晴らしさ。

若干惜しいなあ、と思うのは、収録曲それぞれが、キャッチャーで印象に残るフレーズを持った楽曲ではないこと。モーガンのテクニックの素晴らしさは、全編聴き終えて、凄く印象に残るのだが、その素晴らしいテクニックで吹き上げたフレーズについては、あまり印象に残らないのは残念ではある。これは、プロデュース側の問題だろう。

全体のまとまり、曲、ジャケット、どれを取っても、ブルーノートの『Lee Morgan Indeed!』より、一ランク落ちるところは、明らかに、サヴォイ・レーベルとブルーノート・レーベルとのプロデュース能力の差であるとも言える。

でも、モーガンのペットのテクニックの凄さを感じ、その軽く歌うような、目眩くアドリブを愛でるには、この『Introducing Lee Morgan』は全く問題無い。モーガンを聴き進めるには、避けては通れない、初期の佳作でしょう。
 
 
 
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