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2009年8月16日 (日曜日)

特集・夏の思い出のアルバム・7

さて、この一週間、夏休み期間の特集として進めてきた「特集・夏の思い出のアルバム」シリーズ。初回の高校1年生の夏から昨日の大学3回生の夏まで、6回に渡って「松和のマスター」の「夏の思い出のアルバム」の思い出話を積み上げてきました。今日は最終回、大学4回生の夏です。

大学3回生の夏、荒療治ではあったが「北海道貧乏旅行」がきっかけとなり、人生最悪のスランプから脱し、回復へと向かい始めた。回復へと向かい始めると面白いもので、自分を取り巻く環境も良い方向への変化し始めた。

学業の方の悩みも無くなり、周りの友人との関係も良好になった。そして、大学4回生と言えば「就活」。「就活」については悩んだなあ。自分は普通の社会人には向かないことは判っていたので、そのまま学業を続けたかったが、家庭の事情でそうもいかず、悩みに悩んで「就活」に励んだが、不思議と暗さは無かった。

そして、音楽の趣味の世界でも、色々とポジティブな展開があった。ジャズの世界で、特に一番印象に残るのは「マイルス・デイヴィスの復活」である。ジャズ雑誌を読みこなすのも手慣れて来た、ジャズ者初心者4年目。そのジャズ雑誌に「マイルス復活」と大きく報じられた。んん〜っ、ほんまか〜。1981年6月、ボストンのジャズクラブ「キックス」で復帰後初のライブを行い、1975年以来の沈黙から復活。

嬉しかったな〜。マイルスについては、既に「エレクトリック・マイルス」の世界、いわゆる「アガ・パン」で出会い、アコースティック・マイルスについても、プレスティッジのマラソン・セッション4部作を筆頭に、基本的なものは聴取済み。つまりはマイルスのファンになっていた。しかし、そのマイルスは「隠遁中」。もうリアルタイムでマイルスは体験できないのか〜、と諦めていた矢先のことである。思わず小躍りして喜んだことを思い出す。

The_man_with_the_horn

で、その復活の報にての興奮さめやらぬうちに、復活の証、マイルスの新アルバムがリリースされた。そのタイトルは『The Man with the Horn』(写真左)。いや〜嬉しかったですね〜。就活なんて返上で、早速購入しました。そして、LPをいそいそとターンテーブルに載せて、針を落とす。そして、出てくる「ちょっと妖しげな雰囲気」のタイトな前奏。そして、そしてである。マイルスのミュート・トランペットの「あの音」が、「ブップップッ」と静かに印象的に入ってくる。いや〜、やはりマイルスって格好良いですね〜。1曲目の「Fat Time」の衝撃である(笑)。

そして、2曲目。マイク・スターンのエレクトリック・ギターが前奏で爆発し、ぐわ〜んと盛り上がった後、渋くマイルスが「フルフルフル」とミュートで押さえて、そのコントラストがスリル満点の展開で、最後バシッと決めて終わる「その格好良さ」。

マイルスが復活することによって、ジャズの趣味を継続する、大きな動機が出来た。しかも、マイルスの意図は明確で、エレクトリック・サウンドをアレンジ、サウンドの一部として使いこなしつつ、ダンス・ミュージック、ブラック・ミュージックのエッセンスをオープンに取り入れつつ、ジャズのベースとなるビートはしっかりと押さえて、当時の「ジャズ最先端」のプロトタイプを明確に提示している。

マイルスの復活が、自分の人生最悪のスランプからの「復活」と重なり、当時、マイルスの復活が本当に嬉しかったし、モチベーションも上がった。音楽には不思議な力があるとは思っていたが、自ら、その不思議な力を体験したのは、生まれて初めてのことだっただけに、今でも強い印象として残っている。
 
さて、この一週間、夏休み期間の特集として進めてきた「特集・夏の思い出のアルバム」シリーズも今日で終了です。高校1年生〜大学4回生までの夏休みの時期に思い出を絞って、印象に残っているアルバムをご紹介してきました。ちょっと感傷的な文章になってしまいましたが、夏の特集として、一笑に付していただければ幸いです。さあ、我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、明日から通常の営業に戻ります(笑)。
 
 
 
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