ジャズ喫茶で流したい・6
昨晩の夕立は凄まじかったなあ。激しい雨と風、そして雷。夕方から夜半前にかけて大荒れの千葉県北西部地方であった。今日もなんとなくハッキリしない天気。日差しはあるんだが、スカッと晴れない。今年の夏は天候不順。ただただ蒸し暑い。
さて、天気についてぼやいても、気温は下がらないし、湿度も下がらない。ので、気分だけでもプラスの状態にもっていきたい。そんな時に、昔からちょくちょく出して聴く一枚が、Art Blakey & The Jazz Messengersの『Impulse』(写真左)である。
Art Blakey & The Jazz Messengersには、グループ名そのままのアルバムが、3枚以上あって紛らわしいのだが、一番有名なブルーノートのそれは『Moanin'』と呼ばれ、後の2枚は、リリースしたレーベル名で呼ばれる。今日、ご紹介するのはimpulseレーベルから、もう一枚は、Columbiaレーベルから(7月14日のブログ参照)である。
この『Impulse』は、1961年6月の録音。パーソネルは、Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b), Art Blakey (ds)。フロント3管の時代。ペットのモーガン、サックスのショーター、そして、トロンボーンのフラー。最強の3管フロントである。リズムセクションも、ピアノは黒くてファンキーなピアノが売りのティモンズ、堅実ベースのメリットと玄人好みの二人をシッカリ残している。そして、ドラムは、ブレイキー御大。
このメンバーの演奏で悪かろうはずがない。冒頭の「Alamode」を聴いただけでワクワクする。モーガンの、ちょいと捻りを入れた、鯔背なペットは聴いていて惚れ惚れするし、コルトレーンっぽい音は残っているものの、ウネウネ〜、フゲゲゲ〜といったショーター独特の咆哮がそこかしこに聴かれ、これが実に魅力的。
しかし、何と言っても、フラーのトロンボーンの音色が効いている。トロンボーンのボヨヨンとした、ちょっとノンビリした音色が、尖ったモーガンのペット、ショーターのテナーの攻撃的な演奏を、ホンワカと包むように受け止める。そして、ソロは目が覚めたように、ブラスの響きを「ブリッブリッ」とさせながら、力強いソロを取る。
僕は、このペットのモーガン、サックスのショーター、そして、トロンボーンのフラーの「フロント3管時代」が、Art Blakey & The Jazz Messengersの活動の歴史の中で、最強の編成だと思っている。とにかく、ソロをとってみても、ユニゾンをとってみても、アドリブをとってみても、どれも、上質のハードバップである。しかも、時代は1960年代に入り、そのハードバップの演奏内容は内容的に頂点に達しており、それはそれは聴き惚れんばかりの、それはそれは魅力的な、「これぞジャズ、これぞハードバップ」って感じなのだ。
このアルバムはジャズ者初心者の方々にも「お勧めの優れもの」です。が、CDとしては廃盤状態みたいで、現状では、iTunes Storeなど、ダウンロードサイトからの入手になりますね。このアルバムの様に、なかなか廃盤状態とかで、一般にCDとして入手できないアルバムは、それこそジャズ喫茶の出番ですね。そういう意味で、このArt Blakey & The Jazz Messengersの『Impulse』は、ジャズ喫茶で是非流したいアルバムの一枚です。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« 三大ロックギタリストの一人な訳 | トップページ | 暑い夏の昼下がりに「ドラムレス」 »
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/30881609
この記事へのトラックバック一覧です: ジャズ喫茶で流したい・6 :
コメント