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2009年8月11日 (火曜日)

特集・夏の思い出のアルバム・2

「特集・夏の思い出のアルバム」の二日目。今日は高校2年生である。なぜか映研の部長になって、文化祭に向けて、映画を作ることになった松和のマスター。

映画を作るノウハウもあやふやなまま、夏休みを迎える。なんとか、シナリオを書き上げ、撮影も進むが、どうしてもスケジュールは押して押して、このままでは、文化祭に間に合わないのではないか、という激しい不安が渦巻く、高校2年の夏休み。

夏休みに入る前、一学期の終わり、先代部長がLPを携えやってきた。そのLPはなんだろう、と声をかける。「Nさん、そのLPは何ですか」。袋から出てきたLPを見て、僕は歓声一言「461オーシャン・ブルーバードやないですか、僕、まだ聴いたこと無いんですよね〜」。

N先輩曰く「え〜、お前、まだ、このアルバム聴いたこと無いんか〜」。僕曰く「はい、聴いたことありません」と言いながら、物欲しそうに、ジーッとLPを見つめていたら、N先輩曰く「貸したるわ」。ありがとうございます、N先輩。「僕、この461オーシャン・ブルーバード、聴きたかったんですよね」。ここで、N先輩が僕の発言の間違いを指摘しておれば、この「間違い」を、以来約30年間引きずることは無かったのだが・・・。

しかしながら、先代部長、N先輩のみならず、映研の先輩諸氏には、ほんとうにお世話になりました。どれだけのLPを貸して貰っただろうか。本当にお世話になりました。で、このEric Claptonの『461 Ocean Boulevard』(写真左)を借りて帰った。嬉しかったなあ。

この『461 Ocean Boulevard』であるが、しっかりカセットにダビングさせて頂いて、特に、高校2年生の夏休みに良く聴いた。部室で一人になったら、必ずこの『461 Ocean Boulevard』である。なぜか、精神的に疲れて、寂しくなったら、この『461オーシャン・ブルーバード』である。

冒頭の「Motherless Children」を聴くと、活き活きとした活気溢れるロックな演奏に「いいぞ、クラプトン」と思わず声をかけたくなる。麻薬禍から立ち直って、再スタートを切った、クラプトンの心からの喜びを感じることが出来るロックな演奏。そして、2曲目の「Give Me Strength」のリラックスし過ぎた前奏を聴いて「きた〜、レイドバックし過ぎクラプトン」、と歓声を上げる。レイドバックし切っているが、その演奏はシッカリとタイト。さすがクラプトンである。

Ocean_boulevard_5

3曲目「Willie And The Hand Jive」、4曲目「Get Ready」と、どっぷりレイドバックしたクラプトンを聴き進めるうちに、どんどん内省的になっていく。どんどん感傷的になっていく夏の夕暮れ時。特に、お盆を過ぎた、ちょっと秋の気配を感じるような、夏の終わりの夕暮れ時には、なんとなく心がジーンとなる。

しかし、その感傷は、ヒット曲「I Shot The Sheriff」で、ちょっと現実に戻される。意外とこのヒット曲、僕の耳には、あんまり出来が良く無く聴こえる。なんか中途半端なんだよね。レゲエとボブ・マーリーを世界のポップシーンに紹介した功績は大ではあるが、どうも煮え切れらない演奏に感じる。

で、優しい響きの7曲目「Please Be With Me」で気を取り直して、再び感傷的になり、そして、70年代クラプトンの名曲中の名曲、8曲目の「Let It Grow」で、感傷的な雰囲気は最高潮に達する。内省的になり過ぎて、なんだか目頭が熱くなる。清々しさを感じながらも、どこか心に悲しい気持ちがドッシリと座り込んでいる様な、なんともはや複雑な心境。この心境は今でも変わらない。

ドップリと内省的になって、ちょっと俯きかげんな心に、9曲目「Steady Rollin' Man」の、マイナー調の、ちょっとオリエンタルな雰囲気のピアノの前奏にイライラとしながら(僕はこの調子の音が好きではない)、それでも、気の利かない前奏を抜けた演奏は、ちょっとハードでちょっとロックな雰囲気に、少しだけ心が落ち着きつつ、ラストの「Mainline Florida」を迎える。

この『461 Ocean Boulevard』って、このラストの「Mainline Florida」の存在が実に大きい。この実にロックで実に躍動感のある演奏は、この『461 Ocean Boulevard』を単なるクラプトンのレイドバックなアルバムに留めていない。この「Mainline Florida」があって、このアルバムの内容がグッと締まる。冒頭の「Motherless Children」の活き活きとした活気溢れるロックな演奏に相対する、実にロックで実に躍動感のあるラストの「Mainline Florida」。この曲一発で、内省的になり過ぎた心を一気に前向きな心に転換させる、魔法のような曲である。

高校2年の夏、映研の部長として、文化祭向けの映画が完成するかどうか、不安で仕方が無かった夏の夕暮れ。よく部室に一人残って、この『461 Ocean Boulevard』を聴いた。「Let It Grow」で、ドップリ内省的になり、「Mainline Florida」でグッと前向きになる。当時、僕にとっては、精神的にリポビタンDみたいなアルバムだった。心が疲れたら『461 Ocean Boulevard』である(笑)。

ところで、『461 Ocean Boulevard』のカタカナ表記を『461オーシャン・ブルーバード』と書いてきたが、これは打ち間違いでは無い。実は正直にカミングアウトすると、僕はついこの5年ほど前まで、『461 Ocean Boulevard』=『461オーシャン・ブルーバード』と思っていた。正しくは『461 オーシャン・ブールヴァード』なんですね〜。いや〜面目ない。でも最近、僕の身近にいる女の子が、僕と同じ誤解をしていたことを知って、なんだか嬉しくなった。いや〜僕だけじゃなかった(笑)。
 
 
 
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