Rod Stewart & Faces Live
昨日に続いて、70年代ロックのネタである。昨日、今日と、バーチャル音楽喫茶『松和』の「懐かしの70年代館」の松和のマスターとしてのブログネタなので、ジャズ者の方々には、しばし我慢されたい(笑)。
フェイセズのアルバムをずっと聴き直してきて、いよいよラスト・アルバムである。邦題『ロッド・スチュワート & フェイセズ / ライヴ』、正式名『Coast to Coast: Overture and Beginners』(写真左)である。73年にアメリカで録音されたライブ・アルバム。イアン・マクレガンのピアノ、ロン・ウッドのギター、山内テツのベース、ケニー・ジョーンズのドラムス、そして、ボーカルはロッド・スチュワート。
版権の関係でトラブったり、カバー曲が多いとか、録音状態が悪いとか、ロッドが目立ちすぎるとか、発売当時より、評論家やファンから、何かと辛口のコメントが多いアルバムだが、僕はそうとは思わない。大学時代に初めて聴いて以来、僕にとって、このライブ・アルバムは、フェイセズのベストである。
70年代前半、幾多のロック・バンドがデビューしてきたが、スタジオ録音の出来は良くても、ライブ・アルバムは「なんだかなあ」な出来、「トホホ」な出来が多い中、このフェイセズのライブ・アルバムは素晴らしい内容である。当時のロックというジャンルの「良い意味でのラフさ」と「ノリ優先、疾走感優先のグルーブ感」を思いっきり前に押し出した、フェイセズの最高傑作である。
ライブ・バンドとして超一流と呼び声高いフェイセズの面目躍如たる、グルーブ感とノリが素晴らしいライブ・アルバムである。とにもかくにも、フェイセズ独特の「ラフさ」がたまらない。そして、このライブ・アルバムでは、ロッドのボーカルが前面にフィーチャーされる。これまた、ロッドのボーカルの素晴らしいこと。
そして、ロン・ウッドのギターが、これまた「良い」。細かいことは言わない、ノリとグルーブ感を最優先させたリフは、ロンの唯一無二な音。ロックンロール・ギタリストの特質が前面に押し出されて、上質のグルーブ感を生み出している。
このライブ盤を聴いていると、フェイセズって、やっぱり、後から入ってきたロッドとロンの音楽性、資質が反映されたバンド・カラーだったことが、そして、そのロッドとロン中心のバンド・カラーが、フェイセズにとって一番良い選択だったことが良く判る。
このライブ・アルバムでのフェイセズは、ロックにとって、一番大切なグルーブ感とノリ、そして印象的なフレーズと圧倒的に上手いボーカル、それらが全てを兼ね備えている。さすがライブ・バンド。そういう意味で、フェイセズは、70年代ロックバンドとして、一流のバンドのひとつとして数えられて良いと思います。
良いライブ・アルバムです。演奏している者、歌う者、皆、実に楽しそうにパフォーマンスしています。これだけ楽しそうなのに、解散してしまう訳です。当時のメンバーそれぞれの、若さ故の我が儘を感じるし、エゴから来る分別の無さを感じて、ちょっと虚しくなってしまいます。
が、再結成の噂もあるので(そう言えば再結成したのかしら)、歳を取って、分別のある大人になったメンバーが、今度は、どんな音を、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、なんだか楽しみになってきました。
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