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2009年7月19日 (日曜日)

「ジャズ定盤」の安定感

昨日の激しい蒸し暑さと、ここのところの疲れがドッと出て、なんだか夏風邪の様相を呈している、私こと「松和のマスター」。ちょっと微熱もあったりして、今日は昼から伏せっていたが、3時間ほどグッスリ寝たら、ちょいと気分は上向きに。

体調の悪い時に、難しいジャズ、激しいジャズ、熱いジャズはいけない。ハードバップ時代の絵に描いたような、力感ある穏やかな「ジャズ」が聴ける、所謂「ジャズ定盤」が良い。そう言えば、昔から中々手に入れること出来なかった、 George Wallington『Jazz for the Carriage』(写真左)を、やっとのことで手に入れたんだった。

この『Jazz for the Carriage』には、ジャズ定盤ならではの安定感がある。絵に描いたようなハードバップ演奏とでも言ったらいいんだろうか。ジャズ者初心者の方に、「ハードバップの演奏とは?」と問われたら、これからは、このアルバムも有力な推薦候補の一枚としたい。

白人バップ系ピアニスト、George Wallingtonのクインテット物。1956年の録音。パーソネルは、Donald Byrd (tp), Phil Woods (as), George Wallington (p), Teddy Kotick (b), Art Taylor (ds)。特に、トランペットのDonald Byrdとアルト・サックスのPhil Woods、この若き2管の溌剌としたフロントが聴きものである。
 

Jazz_for_carriage_trade

 
リーダーが、白人バップ系ピアニストのGeorge Wallingtonだからだろうか、本作は、あまりブルージーかつファンキーに染まらずに、カラッとした爽快感を携えながら、軽快にスイングする。その軽快なスイング感に、ほのかな品格を感じる、なかなかハードバップとしては、素晴らしい出来映えのアルバムと思う。

特に、Phil Woodsのアルトが良く、まだまだ駆け出し、後の「ブラス度の高い、金属的に捻り上げる様なブロウ」はまだ聴くことは出来ないが、その萌芽は聴いてとれる。非常に伸びの良い、溌剌としたアルト・ソロが聴くことが出来る。既に個性的なアルトではあるが、若手でありながら、その演奏の安定感が「これまた魅力」。Donald Byrdのトランペットもバリバリと吹き上げていて、実に魅力的なんだが、そのペットを上回るPhil Woodsのアルトである。

収録された6曲は、どれも良い演奏ですが、2曲目「Love Is Here to Stay」、5曲目の「What's New?」のスタンダードものが特に良いですね。特に「What's New?」のアレンジとインプロビゼーションの構成、展開が実にユニーク。哀愁と気品を感じる、なかなか素晴らしい出来です。

そうそう、4曲目「Together We Wail」、6曲目「But George」と、Phil Woodsのオリジナル曲も2曲採用されていますが、なかなかの出来です。さすがに、自分で作曲した曲なので、Phil Woods自身が一番溌剌と演奏しています。George Wallingtonのピアノもシンプルでコロコロとした、品格のあるピアノ・ソロを展開していて、ホント、良い感じのハードバップ演奏です。

この『Jazz for the Carriage』を聴くと、「ジャズ定盤」の安定感をひしひしと感じますね。やはり「ジャズ定盤」の威力は絶大である。なんだかちょっと体調も回復してきた感じ。いやいや、「ジャズ定盤」さまさま、である。
 
 
 
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