最近のトラックバック

« 良いステレオで聴きたい。 | トップページ | 「オモテ名盤・ウラ名盤」って »

2009年7月 1日 (水曜日)

ドラマティックな「モンク体験」

以前、このブログ、そう2009年6月10日のブログ(左をクリック)で、セロニアス・モンクの「強烈すぎる個性」を感じるには、やはり、リバーサイドの諸作が良い。そんなリバーサイドの諸作の中で、セロニアス・モンクの個性を十分過ぎるほど感じる事ができるアルバムが『Brilliant Corners』。と書いた。

『Brilliant Corners』は、モンクの音楽を感じるアルバムの中でも、ナンバーワンの「優等生的アルバム」である。全編、整っていて実に良くできた、一種アーティスティックなアルバムである。モンクのアルバムの中でも「ナンバーワン」だと僕は思っている。

でも『Brilliant Corners』って、ちょっと整い過ぎかなあ、と思われる向きも無いではない。ジャズ的な一過性を感じるアルバムは無いのか。これがあるんですねえ。同じ、リバーサイド・レーベルから、『Brilliant Corners』の次(?)のリーダー作である『Monk's Music』(写真左)。

1957年6月26日の録音。パーソネルは、Ray Copeland (tp), Gigi Gryce (as), Coleman Hawkins (ts), John Coltrane (ts), Thelonious Monk (p), Wilbur Ware (b), Art Blakey (ds) 。コールマン・ホーキンス(ts)の参加が目を惹く。それから、ドラムのアート・ブレイキー。モンクのピアノは、ブレイキーのドラムと相性が抜群。というか、モンクのピアノに追従できるのはブレイキーだけ、と言って良いのかもしれない。そして、テナーの雄、若き日のコルトレーンも参加。

このアルバムについては、ジャズ本でいろいろと紹介され尽くしているので、敢えて、ここではくどくどと言わない。コルトレーンが、ソロとして出るタイミングが判らず(寝ていたのか?)、モンクに「コルトレーン、コルトレーン」と呼ばれて、いきなりブワーっと出る、とか、小節割りが間違っているだとか、結構、このレコーディングは混乱していた風だが、そりゃあそうで、モンクの音楽は、適当なリハーサルだけで演奏しきれるほど甘くはない(笑)。
 

Monks_music

 
でも混乱していた風ではあるが、この『Monk's Music』に収録されている演奏は、ダイナミックかつ繊細、実にメリハリの効いた演奏ばかり。これぞハードバップ、って感じで、ジャズを強く感じさせてくれる。そして、それぞれのミュージシャンの演奏に、妙に気合いが入っているのが感じられて、それぞれのインプロビゼーションは清々しい。

1曲目の、ゴスペルチックで、賛美歌のような合奏「Abide with Me」で幕を開ける。ジャズは黒人の音楽、ジャズは黒人の誇り、という演奏者達の「矜持」を感じる。そして、モンクのパーカッシブなピアノの前奏で始まりながら、途中でブワッーっといきなり盛り上がって、モンク・ミュージック一色に染まる「Well, You Needn't」。この「Well, You Needn't」が一番の聴きものである。

「Well, You Needn't」のテーマ演奏が終わって、いきなりモンクのソロが展開される。このモンクのソロが凄い。鬼気迫るものがある、というか、凄いテンションのソロ。モンクの特徴、モンクの特質が思いっきり露わになったソロ。このソロに、モンクの個性が詰まっている。クラシック音楽を中心とした、協調和音がベースの「西洋音楽」の真逆を行く「非西洋音楽」的なモンクのピアノ。

この『Monk's Music』と『Brilliant Corners』を聴いて、「モンクって面白い、モンクって個性的」と、モンク・ミュージックに対して好意的になれば、そのまま真っ直ぐ「モンク道」へまっしぐら。でも「コレって何、コレって変」と思ったら、暫くモンクは「お休み」。

実の所、私もジャズ者初心者の時、『Monk's Music』と『Brilliant Corners』、共に、初めて聴いた時、混乱の極みでした。もともと、自らクラシック・ピアノを経験していた耳には、しかも予備知識も無い状態での「モンクのピアノ」は、コペルニクス展開的な「大ショック」でした。それから10年位、モンクは「お蔵入り」でしたね(笑)。
 
 
 
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
 
 
 

« 良いステレオで聴きたい。 | トップページ | 「オモテ名盤・ウラ名盤」って »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/80793/30360821

この記事へのトラックバック一覧です: ドラマティックな「モンク体験」:

« 良いステレオで聴きたい。 | トップページ | 「オモテ名盤・ウラ名盤」って »

リンク

  • 松和 / ジャズ・フュージョン館
    ホームページを一新しました。「ジャズ・フュージョン館」と「懐かしの70年代館」の入り口を一本化し、内容的には、当ブログの記事のアーカイブを基本としています。  
  • 松和 / 懐かしの70年代館入口
    更新は停止し、新HPへ一本化中。新しいブラウザーではレイアウトが崩れたりと申し訳ありません。
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

常連さんのブログ

  • 70年代思い出の名曲
    music70sさんのブログ。タイトル通り、定期的に、70年代の懐かしのアルバムを紹介されています。なかなか、マニアックなアルバム選択、曲選択に、思わずニンマリしてしまいます。
  • いそいそジャズ喫茶通い
    yuriko*さんのブログ。都内のジャズ喫茶への訪問記録。ジャズと言えば『ジャズ喫茶』。敷居が高くて、と思っている方々に是非読んで頂きたいブログ。実際の訪問記録ですから読んでいて楽しく、実際の訪問時の参考になります。
無料ブログはココログ