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2009年7月11日 (土曜日)

『Heads』と対の『Touchdown』

久しぶりに朝から晴れ。風もちょっと涼しく、ここのところの圧倒的な蒸し暑さも小休止の、我が千葉県北西部地方。午後からちょっと曇ったけれど、雨にも降られず、久しぶりに気候的に気分の良い週末ですた。

さて、先週のブログ(7月4日)で、ボブ・ジェームス(Bob James)の最高傑作『Heads』について語りましたが、今日は、この『Heads』と対をなす内容の、彼のリーダー作としては6枚目の『Touchdown』をご紹介しましょう。

この『Touchdown』は、1978年のリリースになりますが、前年の1977年にリリースされた『Heads』と内容的には、兄弟アルバムみたいな、対をなすようなアルバムです。『Heads』と『Touchdown』と併せて、2枚組のアルバムに仕立てても、まったく違和感のない、『Heads』と同様に、ボブ・ジェームス渾身の名曲、名アレンジが冴え渡っています。

『Heads』は、「We're All Alone」がボズ・スギャックスの、「I'm in You」は、ピーター・フランプトンのヒット曲のカバーが秀逸で、どちらかと言えば、ボブ・ジェームスのアレンジの冴えが素晴らしいのですが、この『Touchdown』は、ボブ・ジェームスのオリジナル曲が素晴らしく、ボブ・ジェームスのコンポーザーとしての素晴らしさを体験できます。

収録されている曲はどれも素晴らしい出来で、甲乙付つけがたいのですが、冒頭の1曲目「Angela [Theme from Taxi]」と2曲目の「Touchdown」は、テレビ番組のBGMで良く使われており、馴染みのある、どこかで聴いたことのある、実にポップで、充実した演奏です。
 

Touchdown

 
ボブ・ジェームスの音世界の特徴が全て凝縮されて、曲の「ここそこ」に散りばめられており、その素晴らしさと煌めきに、頭がクラクラするみたいです(笑)。特に「Touchdown」でのディビッド・サンボーンのサックスのソロがカッコ良い。いい音で鳴っています。しかも、この「Touchdown」のブラス・アレンジ。痺れます。

この冒頭の2曲が、あまりにも印象の強い演奏なので、3曲目以降の曲について、印象が薄くなりがちですが、どうしてどうして、素晴らしい演奏ばかりです。特に、LP時代のB面だった「Sun Runner」「Caribbean Nights」は、ハードな側面あり、ソフト&メロウな側面あり、メリハリの効いた、上質のフュージョンに仕立て上げられており、ボブ・ジェームスのセンスと力量をつせ付けています。

ここまでくると、この『Touchdown』では、ジャズの要素をベースにした、従来のクロスオーバー〜フュージョンではないですね。ジャズの要素の融合具合をちょっと多くした、ポップなエレクトリック・インスト、所謂、純粋な「フュージョン・ミュージック」となっています。純ジャズが中心のジャズ者の方々にとっては、これって絶対に「ジャズじゃない」でしょうね。第一に「未再現性」が前提になっていない(笑)。でも、広く音楽として捉えれば、このアルバムは「優れた音楽」の方に属するものだと思います。

1978年と言えば、米国音楽界は「ソフト&メロウ」ブーム。この『Touchdown』は、フュージョンのジャンルの中で、この「ソフト&メロウ」ブームに、いち早く追従したアルバムの一枚、という評価もできるのではないでしょうか。

このボブ・ジェームスの6枚目のリーダーアルバム『Touchdown』。なぜ、"Touchdown"と名付けたのか。"Touchdown"とは、アメリカン・フットボールの用語で、ボールを持って相手のゴールエリアに入ると得点ゲットになるのですが、この時、ゲット出来る得点が「6点」。その「6点」にかけて「6枚目」のアルバムだから『Touchdown』。お後がよろしいようで・・・(笑)。
 
 
 
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