Eric Clapton と Steve Winwood
クリームを再結成させてコンサートを開いたり、スティーブ・ウィンイッドとの合同コンサートを開いて、伝説のグループ「ブラインド・フェイス」を再現させたり、最近、「同窓会」づいているエリック・クラプトン。
ミュージシャンにとって、こういう「同窓会」的なコンサートやアルバム作りって、何か意味があるのかしら。あの年齢になって、旧メンバーが集まって、当時の楽曲を再演したとしても、もう「化学反応」は起こり得ないだろうし、懐かしさだけが漂って、残るものと言えば、過ぎ去った過去と、過ぎ去った時間の重みだけで、なんだか「寂寞感」しか残らないような気がするのだが・・・。
まあ、当時を知っている、つまりクリームを知っているとか、ブラインド・フェイスを知っているというオールド・ファンからすると、「懐メロ」を聴く風情で、遠い青春の日々を振り返って、懐かしさだけがこみ上げてきて、「あの頃は良かったよな〜」なんて思いながら、しみじみと感慨にふけるなんていう「楽しみ方」はあるんだろうけどなあ・・・。
なんだかセンチメンタルな風情で後ろ向きだよな、と思いながら『Live from Madison Square Garden』(写真左)に手を出して、しみじみと耳を傾けてしまう僕ってなんなんだろう(笑)。
ブラインド・フェイスの楽曲を中心に、クラプトンとウィンウッドのキャリアの中から、その楽曲のルーツが「ブラインド・フェイス」=「レイドバック的なブルース」につながる楽曲を中心に選曲されている。二人が共同で唯一残したアルバム「ブラインド・フェイス」からは、「 Had to Cry Today」「Presence of the Lord」「Well All Right」「Can't Find My Way」の4曲がチョイスされている。ボリューム的にはCD2枚、全21曲が収録されている。いや〜、てんこ盛りですなあ。
さすがに、テクニックに優れた百戦錬磨の二人のこと、演奏の内容、演奏の密度は水準以上。オールド・ファンには、なんとか楽しめる内容になっている。二人とも音楽の根っこは「ブルース」。その「ブルース」を、スワンプな、アメリカン・ルーツ・ミュージック的な雰囲気に包んで、独特の「寛ぎ感」と余裕ある「渋さ」を醸し出している。
でも、最近の若い「ロック者」の方々には、このアルバムはどう聴こえるのだろうか。クラプトンの新しい魅力を見出すのか、スティーブ・ウィンウッドという名前を初めて聴いて興味を持って、彼の昔のアルバムを漁るのか、そこのところって、どうなんだろう。『Live from Madison Square Garden』を聴いていて、ふと思う。
この「同窓会」的な再会セッションって、本人たちにとって、そして、当時を知る僕たちオールド・ファンにとって何か意味のあるものだろうか、と・・・。なんだか、このアルバムを聴き終えて、精神的に、ちょっとだけ重い疲労感と寂寞感が残ったのは事実である。
ブラインド・フェイスは当時のオリジナル・アルバムが一番。あの時代の勢いとあの時代の雰囲気がキラキラしていて、やっぱりオリジナルに勝るもの無し。う〜ん、やっぱし、ブラインド・フェイスのオリジナル・アルバムを聴こう、っと(笑)。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
« ジャズ喫茶で流したい・5 | トップページ | 夏はいつも「Watermelon Man」 »
お久しぶりです、マスター!
このアルバム買いました。
う~んブラインドフェイスの再現ですね。
初めて「スーパーグループ」というのも知ったのもこのブラインドフェイスでしたし、あのジャケは中学生にはショッキングでしたし、思い入れがあります。
多分当時はクラプトンとウィンウッドとベイカーとの間には何かしら確執みたいなものがあり、うまく行かなかったんじゃないかと。
でもこの二人この歳になって、ようやくわだかまりもなく演奏できるんじゃないかと思ってます。そう思うと私は涙が出てきました。
そりゃクリームの再結成のときも思いましたが、演奏力やテンションは当時の方がすごいと思います。ウィンウッドってアーチストはすごいですよ。クラプトンもいいですが・・・
投稿: N1号 | 2009年7月17日 (金曜日) 11時37分
ご無沙汰です。N1号さん。松和のマスターです。
そうそう、ブラインド・フェイスのジャケットは衝撃的でしたね(笑)。
何度買おうと思ったかしれませんが、あのジャケットをレコード屋の
カウンターに持って行けなくて・・・(笑)。結局、友人から借りました。
そうそう、Steve Winwoodって良いですよね。日本ではちょっとマイナーな
存在でしたが1st.アルバム「Steve Winwood」「Talking Back to the Night」
「Arc of a Diver」「Back in the High Life」という初期の頃のアルバムは、
今でも僕のお気に入りです。
投稿: 松和のマスター | 2009年7月17日 (金曜日) 21時26分