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2009年7月 4日 (土曜日)

Bob James の最高傑作

今年は実に梅雨らしい天気が続く、我が千葉県北西部地方。これだけ天気が悪いと、持病(というか職業病)の腱鞘炎の具合が悪い。右腕が痛み、その痛みが右肩から首の付け根まで走ると「とても辛い」。まあ、もうこれは長年連れ添ってきた、この季節ならではの「持病」なので我慢するしかない。

こんなに体調がすぐれない時は、長年聴き慣れた、長年聴き親しんだアルバムを聴くのが一番良い。というか、新しいアルバムを集中して聴くどころでは無いので、聴き親しんだアルバムでないと気が紛れない(笑)。

で、今日は、Bob James の『Heads』(写真左)。これ、以前何度かお話ししたが、私が、フュージョンのアルバムの中で、初めて購入したアルバムである。Bob James の5枚目のアルバム。コロムビア/CBS傘下に移籍して立ち上げた、自らのレーベル「Tappan Zee(タッパン・ジー)」レーベルの第1弾。

これ、初めて購入してから今までに何百回聴いたかしれないが、このアルバムは名盤ですぞ。収録された6曲(最近の再発盤は「Foot Fetish」が1曲が追加収録されている)とも、ボブ・ジェームス渾身の名曲、名アレンジである。加えて、演奏陣も、その名曲、名アレンジを前に、渾身の名演奏を聴かせてくれる。

フュージョンというジャンルについては「時代の徒花」とか「流行音楽」とか言われるが、この『Heads』を聴くと、フュージョンのジャンルも捨てたものでは無い、いや、フュージョンのジャンルも歴とした「アーティスティックな音楽ジャンルの一つ」であることを実感する。

冒頭の「Heads」の前奏からテーマ演奏にかけて、もうボブ・ジェームス節が炸裂する。特に、このアルバムでは、シンセサイザーの使い方が飛躍的な進歩を遂げている。常にチャレンジを続け、常に発展をつづける、実に意欲的なボブ・ジェームスの面目躍如。
 

Heads

 
そして、2曲目。僕の大好きな、大のお気に入りの名演「We're All Alone」。AORの伊達男、ボズ・スキャッグスの名曲をカバーしたもので、これがこれが実に素晴らしいアレンジ、素晴らしい演奏なのだ。特に、テーマを演奏する生ピアノの、ボブ・ジェームスしか出せない印象的、効果的な響き。そして、アドリブ部でのエレピ(フェンダー・ローズ)の素晴らしいテクニック。バックの演奏陣も溌剌とした、疾走感溢れる演奏で、ボブ・ジェームスのキーボードを盛り立てる。

3曲目「I'm in You」は、ロック・ギタリスト、ピーター・フランプトンのヒット曲のカバーであるが、ボブ・ジェームスのコンテンポラリーな名アレンジによって、全く別の曲のように「再構築」されている。印象的なロック風のビートに載って、ファンキーな楽器ソロが続く。この曲では、ボブ・ジェームスの秀逸なブラス・アレンジも聴くことが出来る。

特に、LP時代のB面だった、4曲目の「Night Crawler」から「You Are So Beautiful」「One Loving Night」の3曲が素晴らしい。若い時は、このB面の良さが判らなかった。ジャズから派生したフュージョンという先入観があって、このB面の演奏の中に、アレンジの中に一生懸命「ジャズらしさ」を探していた。でも、そうじゃないんだよね。

フュージョンというジャンルの音楽って、様々な音楽ジャンルの要素を「取り入れ、融合する」ところまではジャズと同じなんだが、ジャズは「取り入れ、融合した」後、あくまでジャズとして、演奏の底はジャズとして処理する。が、フュージョンは、演奏の底を、ロックやR&Bの様な「ポップ・ミュージック」として処理する。フュージョン演奏の中の「ジャズらしさ」は演奏の底ではなく、「取り入れ、融合する」音楽ジャンルのひとつの要素として作用するのだ。

そういう意味で、LP時代のB面だった、「Night Crawler」「You Are So Beautiful」「One Loving Night」の曲、アレンジ、演奏は凄く格好良い。実に洗練された、極上のポップス・ジャズがここにある。特に、ボブ・ジェームスのアレンジの冴えが凄い。一聴すると「軽音楽」みたいに聴こえるが、「ジャジーな要素」をちょっと濃いめに入れる部分から、みるみる「ジャズ色」に染まっていく様がとにかく素晴らしい。

このアルバムって、ボブ・ジェームスの音世界が確立されたボブ・ジェームスの最高傑作だと僕は思います。曲、アレンジ、演奏、どれをとっても素晴らしい。僕にとって、飽きの来ない、永遠のフュージョン名盤の一枚です。
 
 
 
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コメント

初めまして。
僕は京都に住むお宅DJをしてますてんてんと申します。
何の挨拶も無くいきなりのコメントで大変失礼致します。

今回はお伺いしたい事があり、コメントさせていただきました。

今まで色々なジャンルの音楽を聴いてきましたが、最近手に入れましたBOB JAMESのLPの中にNIGHT CRAWLERが収録されてました。
フュージョンと言うのは本当に聞き出したばかりなのですが、この曲がとても引っかかっています。

ルパン三世が好きで、78'sのオリジナルサントラLPを持っているんですが、その中に僕がルパン三世の中でも一番好きなMAGNUM DANCEと言う曲が収録されています。

そのMAGNUM DANCEとNIGHT CRAWLERが聴けば聴く程にsamplingなのでは?と思ってしまいます。

普段、人に聴いたりネットを使ったりはしないのですが、何せ好きな曲の割に無知にも程がありずっと悩んでいました。

BOB JAMESのNIGHT CRAWLERは77'sだったかな?と思うんですが、何か知っている事があれば是非教えていただきたく、コメントさせて頂きました。

色々と失礼が重なっているとは思いますが、良ければ何かヒントだけでもいただけたら幸いです。

長々と大変失礼致しました。http://m.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&v=DLXr0dLVxGM

はじめまして、「てんてん」さん。松和のマスターです。

Bob Jamesの「Night Crawler」と、ルパン3世の「Magnum Dance」。聴き比べてみましたが、確かにこれは似ている。サンプリングというよりは「引用」若しくは「コピー」と言って良いほど、酷似していますね〜。こりゃ〜、ルパン3世の「Magnum Dance」は、ちょっとマズイんでは、と思う位、Bob Jamesの「Night Crawler」に似ています。
 
1970年代の日本の音楽シーンには、時々あることなんですよね。よくよく聴いてみたら、あちらの音楽にソックリというのが・・・。
 

いきなりのコメントに関わらず、丁寧に返事頂き本当にありがとうございましたm(__)m

やはりコピーととれますよね。
70'sではたまに見られる現象やったんですね!!
BOB JAMESに出会ってまだ数えられる程度しか聞けてませんでしたが、NIGHT CRAWLERのおかげで一気に好きになりました。

私事に巻き込んでしまい、本当にすみませんでした。
無知なまま質問して失礼致しました。これからは松和のマスターさんの様な音楽好きになれれば…と思います。
長々と失礼致しました。
本当にありがとうございました。

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