ミンガスを克服するコツ・2
いやはや、我が千葉県北西部地方、今年は梅雨らしい梅雨の気候なんだが、それだけに、ちょっとでも晴れ間が見えると、蒸し暑いのなんのって。昔に比べて日差しがきついんだろう、とにかく、日差しが戻ってくると、モワーッとした湿気が蔓延して、とにかく体にこたえる。
いきおいエアコンをつけて、除湿に努めることとなる。これって、全くエコじゃない。と思いつつ、体調の悪さを鑑み、今日一日、エアコンをつけて過ごす。まあ、学生時代から、この梅雨の季節は体調的に、大の苦手なんで、慣れていると言えば慣れているんだけど、最近はちょっと辛くなってきた(笑)。
さて、2009年6月17日のブログ(左をクリック)で「ミンガスを克服するコツ」の第1ステップを書いた。で、続きはどうした(笑)ということで、今日は「ミンガスを克服するコツ」の第2ステップ。
ミンガス・ミュージックは、その曲想、演奏の雰囲気が独特である。その「独特さ」に、確実に慣れることが、ミンガス・ミュージック克服の第2ステップである。第1ステップでご紹介したのが、ミンガス・ダイナスティの『Chair In The Sky』。そして、今日、ご紹介する第2ステップは『ミンガス』(写真左)。ウエストコースト・ロックの才女、ジョニ・ミッチェルのアルバムである。
実は、このアルバム、ミンガスとのコラボ・アルバムになるはずだったところが、アルバム作成中にミンガスが他界してしまい、急遽、追悼アルバムとなった、曰く付きのアルバム。つまりは「ミンガス・トリビュート」的なアルバムである。
よって、ミンガスの実際の演奏への参加は無い。曲間随所にモノローグに近い、ミンガスのやり取り(会話)が収録されているだけですが、これが、かえってリアリティーがあって、ミンガスの存在を強くアピールしている。
演奏される楽曲も、ジョニ・ミッチェルからすると、相当に異色なものである。これって、もう純ジャズでしょう。それも、当時の環境からすると、相当に先進的なジャズの演奏になっているのが凄い。パーソネルを見渡すと、錚々たるメンバーが参加し、本気の演奏を聴かせてくれる。ウェイン・ショーター(ts)、ピーター・アースキン(ds)、ジャコ・パストリアス(b)、ハービー・ハンコック(key)。このメンバーって凄くない?
特に、ジャコのエレベが凄いグルーブを醸し出していて、感動に次ぐ感動です。このエレベ、実に硬派で実にソリッドで、実に職人的で、エレベとアコベの違いはあれど、この時点で、ミンガスの後を継ぐ者としては、ジャコが適任だったと思います。それほど、ジャコのエレベは、ミンガス・ミュージックの本質をしっかりと掴みつつ、ジャコの個性を織り交ぜて、次世代のミンガス・ミュージックを垣間見させてくれます。
Jazz傾倒期のジョニ・ミッチェルの最高傑作との呼び声高いアルバムですが、ジャズ者の私としては、これって、もう立派なジャズ・アルバムだと思います。しかも、ミンガス・ミュージックを体感するに、実に相応しい音が詰まっています。このアルバムで、ミンガス・ミュージックの雰囲気をしっかりとつかみ取って欲しいと思います。
ジョニ・ミッチェルの歌唱も、情感こもって、鬼気迫るものあって、かなり良し。バックの錚々たるジャズ・ミュージシャン達の演奏も素晴らしい。参加メンバーの全ての、ミュージシャンとしての「矜持」をビンビンに感じる演奏に脱帽です。
良いアルバムです。というか、異色のアルバムです。ウエストコースト・ロックの才女、ジョニ・ミッチェルの面目躍如、というか、これは奇跡的な、再現性の全く期待できない、一期一会のアルバムだと思います。
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